ケモノ阿吽のいる暮らし。2冊目

紺色のマネージャー。☆MiSo様プレゼンツ ページ36

私は白鳥沢バレー部のマネージャーだが、

伊達工に時々差し入れを入れる。

茂庭君や鎌先もよく伊達工バレー部に

戻っては後輩を指導しているらしく、

なぜか「俺らが来る時以外は来たらだめだよ！」

と私は釘を刺されている。

そんなにフタクチ君というのはヤバい人

なのだろうか。まぁそれは置いておいて…

差し入れを入れるようになってからは

茂庭君に特によくしてもらっている気がする。

この前の水族館もそうだが、色々な所に

連れてってもらう事が多くなった

(大抵鎌先もついてくる)。

だがその時顔を合わせると最初すぐ逸らすのは

ショックだから早いところ慣れてほしい。

(伊達工デイズ。参照)

茂庭君の方がカッコいいから！

この前のジャケット姿は本当にカッコよかった。

思わず目を逸らすと「逸らさないでよ！」とか

言うからその言葉をそのまま返してやりたい。

土曜日。リクエストを聞くと、

やっぱりこの前の俵おにぎりがウケたのか

(やっぱり恋敵茂庭くん。参照)、

今回のリクエストもおにぎり。

今日は汗とか考えて塩おにぎりにしてみた。

英太に今日行くことを伝えると


「絶ッッッ対ダメ。お前緑色になっちゃう」


と言われた。

まぁ伊達工は緑だから言いたいことはわかるけどね。

こっち紫だから…混ぜたら紺色？になるのかな。


…紺色のマネージャーか。悪くないな。


そんなことを考えながら伊達工へ。

今日も体育館出入口で待っててねと言われた。


「Aさん！」


『あ、お疲れ様茂庭君。今日は塩おにぎりだよ』


「うわー！いっつもありがとう！

Aさんも行きたいところ

あったら遠慮なく教えてよ！」


『あ、じゃあ今度また釣りとかやってみたい』


「釣りかー！良いね！」


笑い合っていると茂庭君の表情がピシッと固まった。


『茂庭君、どうしたの？』


「…鎌ちー！！ちょっと来ーい！！」


声のボリュームを上げて鎌先を呼ぶ茂庭君。


「おうおうなんだ…あーうん。わかった。」


何かを察した鎌先は関節をパキパキと鳴らしながら

低めの声でこう言った。


「出てこい二口。そしてその後ろの笹谷女川吹上」


「バ、バレてる…」


「せんぱーい、工業高校に女子呼び出すとか

やっぱり頭おかしいんじゃないですか」


「んだとてめぇ」


「こらこらこら！ちょ、女川も携帯を持ち出すな！

吹上もなんで止めなかった！？」


「き、気になっちゃって…」


『こんにちはー』

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