3. 別れまでの始まり ページ13
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___2017年 10月
眠気に任せて瞼が閉じきった瞬間、カラカラ、と控えめに引き戸を開ける音が聞こえた。
……が、この学校にこんなに控えめに開ける人間なんていたかと考える。
開けたのに扉を閉める気配がない。
少し興味を顔を惹かれて重たい頭を上げると、見たことのない女子が立っていた。
中学2年、いや、3年くらいだろうか。
だけど、呪術高専にこんな生徒はいない。
カリキュラムの性質上見学者な訳はないから、おそらく転入生だろう。
眠いし扉の方に近いパンダか真希が対応するだろうと思って机に頭を一旦戻すも、気づいているのに無視するのもなんだか悪いような気がした。
もう一度顔を上げると、その女の子の涼しげな声が耳に届いた。
「あの、職員室、ってどこにありますか」
「ああ?」
「職員室なら、」
真希は低い声で聞き直すが、これはガンをつけてると勘違いされてもしょうがない。
パンダは指を廊下の向こう側に向けて口で説明しようとしたけど、多分それじゃあ迷うだろう。
(連れてってやったほうが100倍早いよな……)
立ち上がってその女の子の立っているドアの前まで歩いて行くと、女の子はさっと道を開けた。
いや、君の道案内ですけど。
「た、………。」
高菜、といつもの癖で言おうとして口を閉じる。
なんとなく、何も知らない君におにぎりの具で話しかけたくないな、と思った。
ただ、それだけだ。
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鹿毛(プロフ) - 林檎さん» 林檎さん、そう言って頂けて光栄です!別垢の方を中心に活動していたため、返信も投稿もかなり間があいてしまいました...。林檎さんパワーでまた投稿頑張ります!棘くんは原作ではおふざけ要員みたいなところがあるので難しいですが、温かい目で見守ってください(^^) (2020年12月23日 14時) (レス) id: 2c64977e89 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - めちゃくちゃ面白いです。とげくん視点のお話なんて見たことないし内容も面白かったです。続きお待ちしております。 (2020年11月17日 4時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
鹿毛(プロフ) - 雨村@超高校級の絶望さん» 雨村@超高校級の絶望さま、ありがとうございます!めっっちゃ嬉しいです!展開が遅い作品ですが、お付き合い頂けると嬉しいです(^^) (2020年9月25日 16時) (レス) id: 2c64977e89 (このIDを非表示/違反報告)
雨村@超高校級の絶望(プロフ) - わ、やば、めちゃくちゃ面白いです!!!応援してます!!更新頑張ってくださいれ! (2020年9月25日 11時) (レス) id: d3cbdf2262 (このIDを非表示/違反報告)
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