第3話 ページ5
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『先生、私武器が欲しい』
「いいね、その言葉を1番待ってた。」
『……私にはパワーが無いから、鍛えるよ。使うとしたら刀かなあ……。そこに私の呪力を注ぎ込んだら、もっと戦いやすそうじゃない?』
「うんうん、検討するね」
『うん。私帰る、お腹空いた』
コンビニでおにぎりとおにぎりとおにぎり食べる
そう言えば、先生は「おにぎり好きなの?」と頭を撫でながら聞いてきた。
『うん。食べやすくて美味しい。安いし』
「そっかあ」
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おにぎりは好きだ。
食べやすい、栄養も多分ある、楽。
なにより盗りやすい。大きくもないから。
生きていくために、してはいけないことすらしてしまった私を、五条先生は知っているのだろうか。
生きていくために、数え切れないくらいのものを壊してきた私を、知っているのだろうか。
時々、怖くなる。
「(………私は、悪人なのに…)」
また、捨てられてしまわないだろうか。
不安だ。不安で不安でたまらない。
私ですら壊しそうな、不安。
「……僕は、Aの事をずっと前から知ってたんだよ。盗人で、穢れたことしてきたAをね。」
見透かすように聞こえた言葉。
吐きそうなくらい心臓がうるさかった。
私は、14歳だった。
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作者名:環 | 作成日時:2021年1月23日 21時