【JW】花束で彩って【青×緑】 (ページ6)

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「え、そのアイドルのライブ、この前友達と行きましたよ」

「ホンマですか」

「凄かったです！自分は付き添いやったんですけど、なんか引き込まれたっていうか…」

雑談で少し気の緩んだ神山さんは、とても純粋な人やった。

「そんな凄い人と、友達の結婚式作っていけるんや…」

そこまで褒められると少し照れくさい。でも本心から言ってくれてるんやなって思う。

「絶対、良い式にしましょうね」

「ですね」

少し片付けて、また打ち合わせに戻る。

さっきの話でだいぶ打ち解けたからか、俺も神山さんも遠慮なく意見を言うようになった。

「よっし、じゃあ1度2人に見せてみますね。」

「はい、よろしくお願いします」

席を立ち、店を出る。
すっかり花の匂いに囲まれて、俺までええ匂いになってそう。

「あ、藤井さん！」

店を出た所で神山さんに呼び止められる。
あれ、なんか忘れ物したっけ。

「これ、チーズケーキのお礼です」

そう言って淡いピンク色のバラを1本、俺に差し出した。

「え？いや、偶然持ってたサンプルですし…」

「良いんです、ぜひ受け取ってください。お家にお花があるの、良いですよ？」

にこっと微笑む笑顔に、思わず受け取ってしまう。

「…ありがとうございます」

「毎日水換えして、お砂糖をちょっと入れると長持ちするんですよ」

「へぇ、」

舞台が終わった演者さんに花を買うことはあっても、自分の為に買って持ち帰るなんてことはなかった。

「大事にします、」

そう一言呟くと、とびきり嬉しそうな笑顔が咲いた。