【JW】花束で彩って【青×緑】 (ページ7)

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ジリリリ、ジリリリ

目覚ましの音で目を覚ます。
あれ、今日は休みやったはず。

スマホのスケジュールを確認しても、やっぱり今日は何も入ってない。

二度寝しようとスマホを置き、目を閉じたが眠気が無くなっていた。

「はぁ…」

昨日初めて会ったしげのお嫁さん。
凄く可愛らしい人で、それでいて綺麗で、明るいしげを後ろで支える、そんな人やった。

文句の付けようがない、素敵な人。
しげの隣が似合う人。

俺は、いつまで学生時代の恋で悩めばええんやろ。大切な友達の幸せを、心から祝えない自分に自己嫌悪が襲う。

大学卒業して、仕事に就いた時ぐらい。
1度、同じ裏方の仕事をしている女性と付き合ってみたこともあった。

でも本当に好きじゃない人と付き合っても、特に変わらんかった。たまに大阪に仕事に戻った時、しげに飲みに誘われる度に気持ちなんて簡単に呼び戻されていた。
相手にも失礼だったしな。

気持ちを切り替えるように起き上がる。
ふとテーブルを見ると、目が合う1本のバラ

「意外と長持ちするねんな…」

もう1週間ほど経つが、まだ綺麗に咲いている。
花瓶なんて持ってへんかったから、普通のガラスのコップに飾った。

物忘れが多い俺は、毎日起きたら水を換えるって習慣をつけた。
神山さんに言われた通り、砂糖もちょっとだけ。

そっと花びらに触れてみる。
こんなに綺麗に咲いているなら、ちゃんとした花瓶買ってくれば良かった。

ふと浮かんだ神山さんのあの笑顔に、少しだけ、しげの笑顔が重なった。