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「実はゲイやねん。男が好き。」
急なカミングアウトになんて返せばええか分からず黙り込む。
「両親からも言われてたんよ、そろそろ結婚しないんか、って」
そう言うとまた瞼に涙を溜め込んだ。
きっと、花屋という職業で結婚に関わってきて、これまでもたくさん悩んだんだろう。
「ブーケ貰って、お祝いされて、でも否定も出来んくて、」
彼の中にあった苦い悩みは、あのブーケでぷちっと弾けちゃったんや。
弱いのにお酒を飲んで、俺の前なのに泣き出してしもうて、こんなこと打ち明けて。
どの反応が正しいのか分からんけど神ちゃんの涙を見たくなくて、そっと指で拭った。
でも、その手はすぐにパシッと払われた。
「優しくせんといて。ゲイって言ったやろ。流星のこと好きになってまう。」
その言葉を聞いて、余計泣かせたくなくて、そっと抱き寄せる。
きっと、出会った時から惹かれてた。
「ええよ。好きになっても」
「良くない。流星は普通で居って」
「異性を好きになることが普通なら、俺はもうとっくに普通じゃないで」
ずっと俯いてた顔を上げて目をまん丸にしている。
そんな顔も可愛ええなぁ。
「え、だって、茉莉ちゃんに…」
「あれは茉莉さんじゃないで、しげに向けて」
大好きで温かくて、苦しくて憎い。そんな最高の笑顔を今日改めて見た時、心の底からおめでとう、なんて言葉が出ていた。
今、俺が1番みたい笑顔は、
「俺、神ちゃんに出会ったから今日笑顔でお祝い出来たの。俺で良ければ好きになってや」
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作者名：たく | 作者ホームページ：https://twitter.com/HSJW_Taku?s=09
作成日時：2021年10月11日 18時
