【JW】花束で彩って【青×緑】 (ページ1)

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青side

将来は演出家になりたい。
自分が考えたもので人を楽しませられるってええなってぼんやり考えてた。

文化祭の帰り道、余韻に浸って隣を歩くしげにそう話した。

「ええな！将来俺が結婚式挙げる時、流星にお願いするわ！」

それは当たり前のように、残酷に告げられた脈ナシの報告だった。
元から可能性なんて無かった。知ってた。

でも、好きな人から突きつけられる現実は辛くて。

「結婚式の演出は考えたこと無いなぁ…」

考えてた演出家って、普通にアイドルのライブとか、俳優の舞台とかだったし。男同士の結婚式なんて、海外ぐらいしか聞いたこと無いし。

ドキドキ鳴って痛い心臓を誤魔化してなんとか言葉を吐き出す。

「俺がカッコよくなる方法は流星が1番分かっとんねん！今日の文化祭やって、女子にキャーキャー言われて気持ち良かったわぁ」

数ヶ月かけて考えたクラスの演し物は、大好評だった。
俺が演出して、しげは主役で。

別に、女子の黄色い歓声を浴びさせたかったわけやない。しげが、ただ楽しそうに俺の考えた演出に合わせて輝くのが嬉しかっただけ。

「…考えとくわ」

「ほんま？よっしゃ！絶対綺麗な花嫁さん見つけるわ！」

見つけないでええよ、ずっと俺の隣で輝いてて。

ニカッと太陽みたいに咲いた笑顔は輝き過ぎてて、近付こうと必死に手を伸ばす俺は、恋心と一緒に灰になった。