出所してから愛が重い…！！【灰谷兄弟】

8_留守番 ページ9

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「この家にあるもの勝手に使っていいし、なんなら必要なものあれば連絡して。持って行かせるから。あと…」


長い説明のあと、オレらは出かけていくと蘭と竜胆は私にいう

説明が長すぎて過保護みたいだねと笑うと過保護だよと意外にも肯定された

誰か来ても開けないこと

何かあったらすぐ連絡

必要なものを部下に持って行かせるけど極力合わないこと

などその他多数の約束事を決められ、出ていく時もとても心配そうにしていた

勝手にか……

これから私たちが住む家なんだし、自由なんだろうけどあまり気が進まない

この綺麗さのまま保ちたい

まぁこんだけ綺麗で広いからヘルパーさん呼んでるんだろう

あの2人が家事してるところなんてあまり想像つかないし

あ、でも竜胆は料理できるんだった

それ以外の家事はヘルパーさんなんだろうなと勝手に想像して再び家の中を一瞥する

無駄な家具がなくあまり生活感のない部屋は家主がいないととても静かでなんだか寂しい感じがした

必要な家具は揃ってるのだがあまりにも閑散としている部屋は少し居心地が悪いように思えて、頭を回転させ、少しだけいじってもいいよね、そうと決まったら行動だ


「あ？雑貨屋？」

『うん、実際に観に行きたいの』

「それならオレらと一緒の時にしろ。他には？なんか欲しいのあった？」

『う〜ん…別にないかな。んじゃ切るね』


頑張ってねといい、電話を切る

…雑貨屋は行けるとして何しよう、、

暇つぶしといえば携帯だが元々使っていたのは2人に取られ代わりに新しい携帯を渡された

別に連絡先はオレらだけな、ということは無く、ただ私が古い携帯を使っていたので気遣いでそうなった

連絡先は前の携帯と数は変わらない…と思っていたが今確認したら異性の連絡先が父と2人以外いなくなっている

やっぱり少しそういう独占欲があるのかと苦笑する

昔の2人からは全然今の面影がなく、変わりように私はまだ少し慣れない

一緒に住むのだって正直不安だ

あれだけ本気だと蘭と竜胆から言われたって私は自己評価が低いらしい

いつか飽きられて捨てられてしまう可能性もないとは言い切れないのだ

何がきっかけで人生変わるのか誰にも分からない

今のような状況とか特にね

あ、学校とかどうするんだろう。2人のことだから行くのめんどくさがるよね。友達に会いたいし、それは帰って来てから聞いてみよう

早く帰って来ないかな

無意識に灰谷に沈んでいることに私はまだ気付かない




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