出所してから愛が重い…！！【灰谷兄弟】

31_好き ページ33

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「はよ、A」


朝、少し明るい部屋の光と私の名前を呼ぶ優しい好きな声で目が覚める


うん、これこそ優雅な朝だね


いつもの仕返しに少し寝ぼけた振りをして起こしてくれた竜胆に両腕を広げるとすぐ様包み込まれる体


あれ、躊躇がない


仕返しになってなくてこっちが赤面してしまった


しかもそのまま宙に浮く体に戸惑いが隠せない



「甘えてくるなんて珍しい、可愛いじゃん」



やめて、恥ずかしすぎて死 にそう


めっちゃ嬉しそうで幸せそうな顔すんじゃん竜胆


待って、やっぱ好きだわ


心が甘く締め付けられて痛い


でも何だか悪い気はしないその痛みを抱えているとまたもや私の名前を呼ぶ声



「ん、起きたの？」



ソファにいた蘭が私たちに気付いてこっちに近づいてきたかと思えば優しく頭を撫でてくる


何でそう好きって言いたくなることするかね


言うんだけどさ


タイミングってもんがあるじゃん


本当にこの兄弟たちはもう……


文字通り頭を抱えた私をダブルで顔覗き込まないで。顔の良さで眩しいから



『それより、蘭起きるの早いね』



無理矢理にだが話を変えないとこの距離感にキャパオーバー確実だったからそう話題をふる


いつもは私と同じ時間に竜胆に起こされてるか、私が起こすかなのに今日は早いから気になったのもあるけど


竜胆に優しくソファに降ろされると蘭が私の隣に腰を下ろした


スタイルいいな、分けてくれそのスタイルの良さ



「Aの寝顔が見たかっただけ」



何だそれ


いや、何だそれ


それだけ？


朝弱い蘭が私の寝顔が見たいっていうその理由だけのために朝少し早く起きたの？


ああ、、待って


本当に私のこと好きじゃん


言いたくなるからマジでやめて



「可愛いかったよ、Aの寝顔♡」



誰か私を殺 してくれ


誰が好き好んで好きな相手に寝顔を晒すという罰ゲームをしなきゃいけないんだ


まぁ、私たちの場合、一緒に住んでるから避けられないのは事実なんだけどそうじゃないじゃん


よだれが垂れた半分白目の私の寝顔を2人に見られてみろ


可愛いねだけじゃなく(笑)までついてくるぐらい笑いものにされるんだ



「いちゃつくのは後で。飯はどうする？パン？ご飯？」



その日の気分によってどっちかを選ばせてくれる竜胆は本当にすごい


将来立派な家政婦になれるね


そう思ってたら口に出てたらしく、ならねぇよと言われちゃった



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