出所してから愛が重い…！！【灰谷兄弟】

15＿特注 ページ16

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『変じゃない？』

「可愛いに決まってんじゃん、いつも通り抱き潰したい体してる」

『いや、制服の話なんだけど』


はぁ、早く抱かせろよという蘭を無視して学校の準備を進める

せっかく竜胆に着せてもらったし、蘭からの感想も聞きたくて見せに行ったがこの分には聞けなさそうだ

少しモヤモヤしながら学校に必要なものを入れていくと後ろから温もりが私を包み込む


「変じゃねぇよ、オレらがオマエの為にどれだけ悩んだと思ってんだ」


特注って言っていたし、2人が悩んでいるのを想像すると口が無意識ににやけた

蘭の言葉でモヤモヤは消え去り、今度は嬉しさと照れ臭さで前に回ってきた蘭の腕に手を重ねる

私のこと大好きじゃんと漏らした言葉に蘭は当たり前じゃんと返した


「オレも竜胆もオマエのこと大好きだから。だからオマエも早く自覚しろよな」

『前も言ってたけど自覚ってなんの自覚？』

「オレから答え出したらつまんないじゃん。早く気づけバカ」


でもこのままも楽しいからいいけどと今度はあくびをしながら私から離れていく蘭

本当に気分屋だなぁと感じていると着替えおわった竜胆が蘭に制服を渡しに来た

どうせ2人の制服も他の人と違うんだろうなと思いながら竜胆を見ると見過ぎだといつの間にか着替え終わった蘭に目を隠される

本当にいつの間に？？

早着替えできるね、蘭

＿＿

『…ここ、広すぎない？？』

「普通じゃね？」


手配された車に揺られること数分

着いた場所は学校は学校でもここらでは知らない人はいないと言うぐらいの有名な学校

しかも私立

ここもやっぱ高いんだろうなと思うがどうやって編入手続きができたんだろう

大幅な遅刻の割には堂々と、閉まっている校門に向かっていく2人

勝手に開いていく校門はどこぞの貴族かよと思わせる雰囲気でもう何が何だかわからなくなった


「オレらと教室も何もかも一緒だから」


だからどうしてそんなに自由かつなんでも思い通りにできるわけ？

丁度休み時間だったらしく蘭と竜胆の急な登場に廊下では黄色い声援が飛び交う中、これまた堂々と人をかき分け迷いなく進む兄弟

もしもし、あの2人のファンであろう人たちからの視線が怖いです

ねぇ、そんなスイスイ行かないで


なんだよ学校になったらオマエら急に冷たくなるじゃん

学校にいる時限定で少し冷たくなるのなんだよ

小走りで後を追うとこっちなと私の手を自然にとる竜胆



王子様エスコートは今したらあかん…もっと視線が痛い



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