出所してから愛が重い…！！【灰谷兄弟】

16_注目の的 ページ17

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椅子に机、電子黒板やモニターなどの設備がとても綺麗で、温度調節が丁度いいクーラーや空気清浄機など前の学校ではなかった快適なものが全教室に揃っているのすごいと教室を見渡しながら感心していると2人がいつの間にか窓際の1番後ろに私を連れていく


珍しい三人掛けの机で左を蘭、右を竜胆と2人に挟まれる形で着席すると先生が私たちの登場に驚き停止していた授業を再開させた


特に私たちには触れず、元からいたように接する先生


もしかしてこの学校の先生までも自由にできるのかこの兄弟


通りで大幅に遅刻して堂々と校舎内歩いても怒られないわけだ



「お目当ての学校だけど何が楽しいの？」



笑みをこぼした私に不思議そうに首を傾げながら蘭は私の顔を覗き込みそう口にする


お目当てといっても、前の学校の友達に会えるのが一番の目的だったけど


多分大体の学生は友達目当てで学校行ってる人多いって



『蘭と竜胆と学校にいるのなんか懐かしくてね』

「確かに。高校は学校違うもんな」



何年ぶりか…


こうして2人と学校にいると様々な楽しい思い出が、、、出てくるわけもなく、出てきたのは2人に対する恨みと怒りしかない私の思い出


逆にこの思い出を楽しく思えるならその人は残念ながらちょっとイカれてるね



「楽しそうに笑ったかと思えば急に顔険しくなるじゃん。百面相でもしてんの？」

『…思ったんだけどさ、2人ってなんで中学の時私に対して横暴だったの？』



他の子と比べたら全然いい方だがパシリとも思える扱いをされる覚えもない私にとってはとても不思議だ


例え好きな子をいじめたくなるあれだとしても


冗談でもやってはいけない部類だといっても2人には通じないだろうが



「あの頃はオマエを自由にできるのはオレらだけだって言う優越感に浸ってたんだよな」

「やり方は今思うとガキくせぇけどな」

『え、そんな理由？』



もっとこう、、好きだけど素直になれなくて話しかけるついでに…とか、よくある男子中学生の心情とは全然違うもので思わず目を丸くする


13にして、好きなやつを自由にできるのを見せつけたいとか亭主関白への第一歩かよ


え、、やめてよ？



「今はオマエのこと誰にも見せたくねぇし」



私の頬にかかる髪の毛を優しく指で掬いながら言う蘭


優しく目を細められ何故か鼓動が早くなる私の心臓


ついに心労で壊れたのかな


誤作動を起こしまくる心臓にささやかながらエールを送っといた



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