あの日、君と見た桜を (ページ17)

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手際よくパンケーキを大皿に移すと、「はい、どうぞ。」って私の前にトン、と出された。

バターと蜂蜜がいい感じに熱さに溶けてなんて………

A：「美味しそうぅぅぅぅ。」

私のハートワシ掴みのパンケーキと雅紀くんの笑顔。

ああ…食べる前から胸がいっぱい。

二宮：「…お前って単純そうだな。すぐ男に騙されるタチだろう。」

A：「はぁ？人を尻軽みたいに言わないでくれる？」

二宮：「違うの？(笑)」

雅紀：「ニノー」

雅紀くんがなだめながら苦笑いしてる。

A：「違うわよ！翔とだって3年付き合ってたし、私は人といい加減に付き合ったことなんてないもの…」

言いかけて、視界の隅の本棚にある少し大きめな写真たてが目に入った。

ん？

家族写真？

お父さんかな？長身で細身のおじさんの隣に雅紀くんが立ってる。

その隣に綺麗な…年配の女の人。その隣に二宮。

その隣に私ぐらいのこれまた綺麗な女の人。

ああ、そっか幼馴染みって言ってたっけ。

じゃあ家族ぐるみの付き合いなのかな？

にしても………

家族写真と言うよりは集合写真のような………

よくよく見たら背後にはたくさん若いのやら年配の人やらが立っていて、なにこれ？

親戚同士で旅行にでも行ったのかな？に、しては格好が堅すぎる。

A：「雅紀くんこれ、」

聞こうとして振り返ると雅紀くんにフォークでさしたパンケーキを口の中にポイッて入れられる。

A：「ン！」

雅紀：「美味しい？」

口の中にバターいっぱいのパンケーキがフワッと香る。

なに、この小悪魔！