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温もり66 ページ16

私は自分の頬を両手で叩き、2人に向かって歩いた。

相手は男だしなにされるか分からないけど、私は腹がたって仕方なかった。

最悪揉め事になっても近所の人が助けてくれるだろう。


「ぁ……A……」


鈴が私に気づきこっちを見た。


「あ、Aちゃん。ちょうど良かった」


鈴の元彼は何食わぬ顔で私を見るとにこにこと笑った。


「あのさ、俺と付き合って欲しいんだ」


何と無く状況を飲み込んだ。


「……断ります」


「え、なんで?好きな人居ないって聞いたんだけど」


……猫かぶり。

最悪な人。


「……私好きな人いるんです。7年前から。ようやく最近会えていい感じです。最近彼は私を求め寝ている間を狙って襲うのです。私は彼のものになった。私は知らないけど彼だけは私を知っている……でも私はそれで満足……」


「そ、それって夢かなんかじゃないかな」


私は首に貼ったばんそうこうを一枚外した。


「夢なんかじゃない……証拠。私は彼のもの。あなたのものになんかなれない。もちろん鈴もあなたのものにもならない。あなたにそんな資格ない……」


私は彼の胸ぐらを掴んだ。

持ち上げるくらいしたらいいのだろうけど無理。

じっと彼の目を見つめた。


「私あなたのことゴミ以下にしか見ていない。目障りです。気色悪いです。……親友を傷つける人は絶対許さない……消えて下さい」


私は胸ぐらを掴むのをやめた。

彼は顔を歪め、腰を抜かした。

私がそういうことを言うのは怖いのか。


「早く消えて下さい……」


「ご、ごめんなさい……っ」


彼は立ち上がったかと思うと一目散に逃げて行った。


「……?」


少し様子がおかしいと思ったのは気のせいだろうか。

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ぐりーん(プロフ) - もうこれ何度見返しても涙…好きすぎる( ; ; ) (2022年1月16日 16時) (レス) id: c2e222939c (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 感動しました、、、 (2020年4月16日 19時) (レス) id: be295054f5 (このIDを非表示/違反報告)
黒咲優乃 - これ絶対誰でも泣きますよ...感動&少し切ない...良い物語ですね。何年、もしかしたら、何十年か後、主人公がオロチ達とまた再開出来たら良いなぁと思いました (2018年12月25日 0時) (レス) id: c26dd69b91 (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 泣いちゃいました! (2017年11月19日 12時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
彩花 - 感動してに泣きました。 (2017年6月5日 19時) (レス) id: 463cc6db15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2016年3月3日 16時

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