二百二十七 名無し子 ページ27
今から遠い昔。
小さな村で俺は産まれた。
名前の無い子、名無し子。
何も与えられなかった俺は誰にも求められなかった。
間違いで産まれ、食べ物も愛も何も与えられなかった。
知らなかったから他人が与えられたものの価値がわからなかった。
だけど年を重ねるに連れ俺はそれらが欲しくなった。
あるものは使えるうちに使えと村の長が俺を畑の手伝いをさせた。
その畑の主の子も手伝っていた。
黙々と働いていると主がやってきて子に言葉の礼を与えた。
期待したのは初めてだった。
だけど与えられたものはなかった。
俺は手際が良く器用であった為か、長は次々に子どもの俺に仕事与えた。
ふと俺は今求められているんだと気づき、一層仕事に精を出した。
炊事も洗濯も子守もなんだってした。
そうすれば俺には仕事が"与えられた"。
ある時村に熊が現れた。
せっかく耕した畑を荒らすので俺は与えられなくなることを避けたく、必死で熊を殺した。
それを境に俺には仕事が1つ増えた。
「長を始末して欲しい」
それは殺しの仕事だった。
相手が老人であったこともあったが俺は容易くこなしてみせた。
そうすれば皆俺を求めてくれる。
だから何度だって血を浴びても平気だった。
だけどそれは俺が求めていたものではなかったようだった。
恨みを買い続けとうとう俺は殺された。
薄れゆく意識の中で1人の女の子が俺を悲しげな目で見つめていた。
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剣城京菜(プロフ) - aruya100さん» ありがとうございます！！頑張ります！！ (2019年2月8日 9時) (
レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - いつも見させていただいてます。更新頑張ってください！期待してます！ (2019年2月4日 23時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます！！頑張ります！！ (2019年1月30日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 作品楽しませていただいてます。続き頑張って下さい！ (2019年1月30日 8時) (レス) id: 01053ecf80 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - 剣城京菜さん» 頑張ります．．．！ (2019年1月23日 19時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2019年1月21日 21時
