二百十九 迷子 ページ19
出店には食べ物以外にも色んなものが売られていた。
お祭りと言うよりは夜市と言ったほうが近いだろう。
出店を見ながら歩いていると私はとあるものに目が釘付けになった。
「オロチさんと同じ色だ……」
足をとめ、それをじっと見つめた。
オロチさんと同じ瞳の色のピアス。
とても小さなものだったが、ガラス素材で多面体カットされていてどこから見てもきらきらと綺麗に輝いていた。
店の主人が手に取っていいと言うので私はそれを落とさないように手にとった。
「凄い……」
当たる光の種類によって輝き方が全然違っていた。
これをプレゼントしたら喜んでくれるだろうか。
「あっ、あの。これください」
手持ちで足りるかわからなかったが、主人は丁寧に袋に入れて私にくれた。
「ありがとうございます……‼」
深々と頭を下げ、私はオロチさんが待っている場所に急いだ。
「……」
急いだはいいが次第に足は遅くなっていく。
「ここどこ……」
決して迷子ではない。
ただ分からなくなっただけ。
やっぱり見慣れないものにはすぐ惑わされる。
心の何処かでオロチさんが来てくれるんじゃないかと期待していた。
だけど彷徨っているうちに自力で戻ることが出来た。
「……オロチさん大丈夫ですか」
「酔いつぶれたわ〜」
横でえんらえんらさんがため息をついた。
オロチさんはテーブルに顔を伏せ、すやすやと眠っている。
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剣城京菜(プロフ) - aruya100さん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年2月8日 9時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - いつも見させていただいてます。更新頑張ってください!期待してます! (2019年2月4日 23時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年1月30日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 作品楽しませていただいてます。続き頑張って下さい! (2019年1月30日 8時) (レス) id: 01053ecf80 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - 剣城京菜さん» 頑張ります...! (2019年1月23日 19時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年1月21日 21時