二百二十五 裁判 ページ25
何時間か経って遠くの方から扉を開ける音が聞こえた。
「A」
「はい……」
オロチさんは牢獄の鍵を開け、中に入ると手枷足枷を外し紐に繋がれた手錠を代わりにかけた。
次に黒雨の手枷足枷を外した。
目隠しにさるぐつわを外され、ようやく表情が見えるようになった。
ここに来たときより顔の黒色が剥がれてきていた。
「……いいか、この先で証明するのは無実ではない。真実と意志を証明しろ」
深く頷き、私は証明すべく足を踏み出した。
証明する場は玉座の間ではなく、外のようだ。
外に通じる扉を開けた瞬間、眩しさで目を細めた。
そこには裏切り者を嫌悪の目で見上げる妖怪たちがいた。
即興で作ったであろう木の高台にあげられ、その場に正座させられた。
浴びせられる言葉はいつか私が浴びたもの。
頭がおかしくなってしまいそうだった。
「みなのもの!今から長年苦しめられてきた黒魔の1人とそいつを庇う裏切り者の裁判をここにて行う‼」
エンマ大王さまの一声により妖怪たちは大声をあげた。
「まず己の名を名乗れ」
私は人であった頃と今の名前を名乗った。
「……ぁ、俺、は……。く、く……ろ……」
黒雨は自分の名前を名乗ることを躊躇した。
それが黒雨にとって重要なことなのだと今までのことを踏まえ、私は推測した。
「く、ろさめ……だ……」
絞り出した声は震えていた。
「くろ、ま……だ……」
観衆はざわつき始め、中には酷いことを言う者もいた。
「では次に……」
疑うことなく次の質問へ移行される。
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剣城京菜(プロフ) - aruya100さん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年2月8日 9時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - いつも見させていただいてます。更新頑張ってください!期待してます! (2019年2月4日 23時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年1月30日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 作品楽しませていただいてます。続き頑張って下さい! (2019年1月30日 8時) (レス) id: 01053ecf80 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - 剣城京菜さん» 頑張ります...! (2019年1月23日 19時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年1月21日 21時