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百六十一 やりたいこと ページ11
私は柔らかな光の中で呼吸をしていた。
「──……」
目を開けるとピンクの花びらをつけた大きな木があった。
私はそれを見上げ手を伸ばす。
ひらひらと舞う花びらは私の手のひらに落ち、すっと手の中に消えていく。
「桜の木……」
はっきりと分かる。
これは夢じゃない。
根拠なんてないけれど私の中に眠る勘のようなものが、そう言っているような気がした。
「守る力……助ける力……」
それは私が手にいれいた力。
私が私を越えられるように、大切なものを守れるように。
そう願い、私は手と手を組み合わせる。
今はまだ気持ちと事実に決着がついた訳じゃない。
納得した訳じゃない。
だけど漠然とした、大きなやりたいことを私は知っている。
生きているものの全てを……。
「私は──……」
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年12月10日 18時
