六 私ではない私 ページ6
知らない場所、知らない状況。
いくら泣いても、この狭い檻の中ではどうすることもできない。
いつしか枯れ果ててなにも考えられなくなっていると、水たまりを踏んだ音が聞こえた。
それは最初、目覚めたときと同じ音だった。
足音が段々と近づいてくる。
そして俯いた私の前に止まった足はこちらを向いた。
「何故言うとおりにしなかった」
「だって……なにも知らないから……。どうしてここにいるのかも、どうやってここに来たのかも、昨日のことも思い出せなくて……っっ」
金色の瞳が私の顔を覗き込んだ。
「貴様は3日前、外で倒れているのを私が保護した。……本当になにも覚えていないのか」
首を横に振ると男の子は片手に持っていた手鏡の柄の方を私に向けた。
「……これを見ろ」
私が顔をあげると男の子はゆっくりとその手鏡をひっくり返した。
「……誰」
鏡に写ったのは私の知っている私ではなかった。
真っ白に染まった髪に淡いピンク色の瞳。
勿論染めた訳じゃない。
カラコンをしている訳じゃない。
触っても外れることもない。
「貴様の年を考えるとそんな奇抜な見た目はできないはずだ。……自分でやったのか」
白い髪は僅かな光に反射してきらりと光る。
「私まだ高校生なので……制服着てるし」
私の知っている私は黒髪、焦げ茶の瞳という、普通の日本人の遺伝を継いでいた。
「いくら調べても刺客である証拠はでないだろう。もう少し待てば出られる」
男の子はすっと立ち上がると、見向きもせず立ち去ってしまった。
取り残された私はなにも考えることもできずに、ごろんと横になった。
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剣城京菜(プロフ) - あやべえさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月25日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あやべえ(プロフ) - オロチかっこいいですぅ……これからも頑張ってください!応援しています! (2018年8月25日 9時) (レス) id: af2133f4e4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - kkkkkkkkkさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月7日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
kkkkkkkkk - 頑張ってください!!応援しています!! (2018年8月7日 6時) (レス) id: c230d910a2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 頑張ります!!アドバイスもありがとうございます!! (2018年7月25日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年7月20日 19時