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三十五 夜中にすること ページ35

オロチさんは扉に鍵をかけると足元に落ちていた本を手に取り、部屋の隅にある机の上に置いた。

この部屋は狭く、本棚が壁際に沢山あり、床に落ちていたりと随分と散らかっている。

机に置いてあった時計を見るともう3時を過ぎている。


「……こんな時間に何をしているんですか」


私はオロチさんの後ろから、読んでいる本を覗き込んだ。

その本には見たことのない文字が並んでいる。


「あまり興味を引くものではないだろう」


そう言い、オロチさんはぺらぺらとページをめくる。

手元に紙とペンが置かれている。

多分なにか調べものをしているのだろう。


「……妖怪は睡眠をとらないんですか。普通は寝ている時間ですよ」


私は本が積まれた所に腰をおろし、近くにあった本を手にとった。

なんというかこの世界のものはやたらと禍々しい。

ぺらぺらと中身を見てみる。


「……? "妖怪" "記憶"」


そう言葉に出すとオロチさんは私の持っていた本を取り上げた。


「読めるのか」


怒った顔でオロチさんは私に問う。

私は首を横にふった。


「……なんとなく?きちんと見てないから良く分かりませんが多分字体が似ていたから、そう読めたのかもしれません」


オロチさんはその本をぺらぺらとめくり、めんどくさそうにため息をついた。

本を机に置いたかと思うと、おもむろに立ち上がり部屋の灯りを消した。


「……普通はもう寝ている時間なのだろう」


オロチさんは不貞腐れたように背を向け寝転んだ。

私は腑に落ちないまま、同じように背を向け横になった。

だけど眠れるはずなく暗闇の中、視線が彷徨う。

なにも考えないようにしようと目を瞑ると、足元になにか軽いものを被せられた。

手を伸ばしそれを掴むと感触からして布であることが分かった。

体を起こし、オロチさんがいた方を見る。

外からの僅かな光にオロチさんの背中が見えた。

なにを考えているのかよくわからない妖怪だ。


「……言伝だ。明日エンマ大王の元へいくように」


「人間界に帰して貰えるでしょうか」


その問いに帰ってきたのは、YesかNoではなく幼い子どものような寝息だった。

三十六 猫と犬→←三十四 夜中の恐ろしいお化け



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設定キーワード:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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剣城京菜(プロフ) - あやべえさん» ありがとうございます!頑張ります!! (8月25日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あやべえ(プロフ) - オロチかっこいいですぅ……これからも頑張ってください!応援しています! (8月25日 9時) (レス) id: af2133f4e4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - kkkkkkkkkさん» ありがとうございます!頑張ります!! (8月7日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
kkkkkkkkk - 頑張ってください!!応援しています!! (8月7日 6時) (レス) id: c230d910a2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 頑張ります!!アドバイスもありがとうございます!! (7月25日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年7月20日 19時

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