十八 時計塔 ページ18
ずっと眠っていたからか、体がなまってしまったようだ。
窓から外を覗くと妖怪通りは全くない。
少しだけ外を出歩いてみようかと、私は靴を履いた。
外に出て通りを歩いていていたが、どうにも誰かに見られているようだ。
しかも1つや2つじゃない。
建物の中から視線を感じた。
昨日のように襲われるようなことはなさそうだが、何故か私にはそれらが怯えているように思えた。
しばらく歩いていると、大きな時計塔のある場所へ出た。
見上げて時計の針を読む。
「……8時59分」
人間界と同じ時間の進み方をしているのだろうか。
ポケットに入れていたスマホを確認したが、同じ時間を表していた。
ただ、スマホの時計が妖魔界の時間の進み方に合わているのなら別だが。
秒針が55秒を示す。
56、57、58、59……。
ゴーン、ゴーンと、鐘が音を鳴らした。
音の振動が地面に伝わり、私の足へ伝わっていく。
9つ目が鳴り終わるとまた私は上を見上げる。
かち、かちと秒針は規則正しく動き続ける。
もう戻ろうかと時計塔に踵を返すと、私の薄く伸びた影を暗闇が隠した。
ふと見上げると、昨日よりも大きい、鋭い牙と爪を持った片手の黒魔が私を見下ろしていた。
「ジャマ……チカラ……イラナイ……オマエイラナイ……」
55人がお気に入り
「妖怪ウォッチ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
剣城京菜(プロフ) - あやべえさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月25日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あやべえ(プロフ) - オロチかっこいいですぅ……これからも頑張ってください!応援しています! (2018年8月25日 9時) (レス) id: af2133f4e4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - kkkkkkkkkさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月7日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
kkkkkkkkk - 頑張ってください!!応援しています!! (2018年8月7日 6時) (レス) id: c230d910a2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 頑張ります!!アドバイスもありがとうございます!! (2018年7月25日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年7月20日 19時