百七十四 ページ24
「A‼」
遠くからエンマ大王、ぬらりひょん、土蜘蛛、えんらえんら、大ガマがこちらへやってくるのが見えた。
「良くやった」
ぬらりひょんの手には赤い目が持っていた壺があった。
「中はもう殆ど残ってないけどな。残りはこっちで管理するから」
エンマ大王はそう言った。
「よくやったわ〜」
声は聞こえるのだけれど、どうにも頭がぼんやりする。
頭がふわっとして、急に眠たくなって……。
はっとすると私は何故か自分の部屋にいた。
「……夢」
誰かが私の手を握っている。
ふと横を見るとオロチが私の手を握って眠っていた。
「夢じゃない……私、途中でくらくらして……」
「……起きたか」
オロチはぱちりと目を開けた。
眠っていた訳ではなかったらしい。
「……あのあとどうなったの?」
「Aが倒れてから私がここまで運んだ。Aが起きるまでついていると言っていたが大勢で部屋で待っているのも迷惑だろうと一旦帰った。……また明日になれば来るだろう。囚われていた奴らも無事に助かった」
それを聞いてようやく安堵を覚えた。
なのに、何故か私は泣いていた。
悲しいわけではないのに。
するとオロチは私の頭を撫でた。
私の大好きな手。
優しい手。
私はいっぱいいっぱい溢れた。
笑ってくれるオロチに抱きついて、いっぱいいっぱい溢れた。
私の首筋に伝ったものはオロチの溢れたもの。
やっと、やっと私たちは祓えたんだ。
「ありがとう、オロチ……」
「ありがとう、A」
やっと、私たちは幸せになれるんだ。
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剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» http://uranai.nosv.org/u.php/list/Take2241/ こちらのURLに飛んで貰えれば完結したものが全て入ってます!もしくは私の名前をタップかクリックして貰えれば見つかります! (2017年10月21日 23時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - どんな作品がありますか? 読んでみたいです! (2017年10月21日 23時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 楽しんで頂けて良かったです!残念ながらこの作品の続編を作る予定はありませんが現在投稿中の作品も過去作品もありますので良かったらそちらも読んで頂けると嬉しいです(^^) (2017年10月21日 18時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 面白かったです!続編見たいです (2017年10月21日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - capeさん» ありがとうございます!今後も頑張りますっっ (2017年8月28日 17時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年8月2日 1時