百六十二 ページ12
えんらえんらに部屋まで送ってもらうと私は考えた。
「お爺さんに読んでもらったあの紙、確か使える御札は１枚使えるのは１人だけって。学校で使ったこともあるしそれが１枚だったのか……でも私２枚使った」
学校で使ったのが２枚。
どちらも仕組まれたことでカウントしないとして私が祓うのに使った１枚が効果無かったということは御札が偽物だったか使える一枚ではなかったか私が使える者ではなかったことになる。
「御札って全部同じじゃない……それぞれ役割があったはず……」
だとしたら私が御札を間違えたか私が使える者ではなかったということ。
赤い目はただの演技だった。
それなら……。
「もう分かんない」
混同した記憶を振り払うように首を横に激しく振った。
「落ち着いて。Aちゃんならできるわ〜」
ゆっくりと深呼吸をして今までのことを整理してみる。
経緯も大事だけど最も大事なのは今をどうするか。
私にできること。
「……新しく御札を作る」
それが私にできること。
でも本当に効果があるかなんて分からない。
実験してみなければ無謀なものだ。
でもどうやって実験を……。
誰かを犠牲にする訳にはいかない。
赤い目はきっと今も私たちを見てる。
凝った作戦なんて効かない。
だから、この力を確実なものとさせなくてはならない。
「御札を作るにはいろいろ順序を踏まなくちゃ〜……でもそんな時間ないと思うわ〜」
「確かに……でも……」
すると突然、部屋の窓ががたがたと揺れた。
なにかと思い鍵を開けるとひとりでに窓が開いた。
「邪魔するぜ」
「……あっ、エンマ大王……」
窓からエンマ大王が部屋に入ってきた。
「やっぱり妖器は人間界にあるみたいだ。あれを狙うものは世界征服とか大規模を目的としているから使ったらすぐにわかるはずなんだけどな。……どうやら少量の妖気を何回にも分けて使っているらしいんだ。たぶん、それはAにも関係することだ」
「……私に？」
エンマ大王は無言で頷いた。
「それなら納得いきますわ〜……。私もオロチから聞いただけですけど"ただの呪い"に何匹もの妖怪を操ったり精神に乗り移ったりすることなんてできないもの〜」
「……それって赤い目ってこと？」
えんらえんらは無言で頷いた。
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剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» http://uranai.nosv.org/u.php/list/Take2241/ こちらのURLに飛んで貰えれば完結したものが全て入ってます！もしくは私の名前をタップかクリックして貰えれば見つかります！ (2017年10月21日 23時) (
レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - どんな作品がありますか？ 読んでみたいです！ (2017年10月21日 23時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 楽しんで頂けて良かったです！残念ながらこの作品の続編を作る予定はありませんが現在投稿中の作品も過去作品もありますので良かったらそちらも読んで頂けると嬉しいです(^^) (2017年10月21日 18時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
奈乃 - 面白かったです！続編見たいです (2017年10月21日 18時) (レス) id: e19d1310b2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - capeさん» ありがとうございます！今後も頑張りますっっ (2017年8月28日 17時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年8月2日 1時
