七十九 ページ29
オロチが怖い顔をする。
イナホさんはそれに気づかず問いを続けた。
「い、イナホ‼空気読むダニ‼とりあえず今日のところは帰るダニ‼」
USAピョンに無理やりイナホさんは連れて行かれてしまった。
「じゃ、じゃあ俺たちも帰るよ」
「ばいにゃん」
天野君たちも逃げるように帰ってしまった。
「……ごめんなさい」
「あいつらが知らず根掘り葉掘り聞こうとしたのが悪い。Aは何も悪くないだろう……」
オロチは頭を抱えてふう、とため息をついた。
「オロチは他の人にはあまり良いふうに思われてないの……?」
私がそう聞くとオロチは顔をそらした。
「オロチってかっこいいの?」
「……そういうことは本人には普通聞かないだろう」
そういうものなのか。
幾つか疑問に思うことはあるけど余計な詮索は鬱陶しがられるのでやめておいた。
手を繋いだまま、私たちは帰路へ着いた。
「オロチは私と手を繋ぐの恥ずかしくないの?……他の妖怪に見られたりして嫌?」
「そんなものは勝手に言わせておけばいい」
オロチはそんなことを言った。
「私は普段は嫌……だって他の人から見たら独り言してる変な子だから……。今は平日のお昼で人通りないから特別。……でも特別するのはオロチだけ」
なにかこっ恥ずかしいことを言っているような気がするけど考えるとごちゃごちゃきりがないのでやめた。
ふとオロチが足を止めた。
するりと手が抜ける。
「……どうしたの」
振り返るとオロチは浮かない表情をしていた。
「……いや、何でもない。悪いが野暮用が出来た」
オロチは私の返事も聞かず何処かへと行ってしまった。
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アミュレット - 今日も良かったです! (2017年5月18日 20時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね!焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています! (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年5月5日 18時