七十六 ページ26
やばいやばいやばい……っっ‼
混乱して学校まで猛ダッシュして体育館裏に逃げ込んだ。
「急に走り出してどうした」
なにも知らぬ顔でオロチは咳き込む私の背中を擦った。
「ばれちゃったばれちゃった……っっ。私、ずっと隠して、来たのに……っっ」
「そう錯乱するな。あいつはAと同じように妖怪を目にすることが出来る人間だ。疎外するようなことはしないだろう」
そう言ってオロチは涙を拭ってなだめた。
ふとオロチの後ろから天野君たちがこちらを見ていることに気づいた。
私が後ろを見ていることに気づいてオロチは後ろを振り返ると私から離れた。
「や、やっぱり見えてるんだよね?」
「み、見えてない……なんのことか分かんない……」
しらばっくれると白いのがまじまじと疑いの目で舐め回すように見た。
「絶対嘘でウィス。さっきあーた返事してたじゃないですかぁ〜っ」
ち、近い……。
「すまないケータ。疑っている通りAは私たちが見える。だがあまり詮索するようなことはしないでくれ」
「それはいいけど……」
勝手にばらして話を進めてしまうオロチに私は飛び蹴りでもくらわしてやりたいくらいだった。
「Aだったかにゃん。オロチとどういう関係なのか気になるにゃん」
赤色の猫が私の足に触れた。
瞬間私は胡瓜を背後に置かれた猫の動画ように、とまではいかないがびっくりして後退した。
オロチの後ろへ急いで避難する。
「すまない友よ。Aは妖怪が少し苦手でな」
「でもオロチは平気なんだ」
私は激しく首を横にふった。
「余計に怪しく見えてきたでウィス〜。怪しいにおいがぷんぷんするでウィス〜」
至近距離を飛び回っている白いの。
「ウィスパーキモい」
「キモいってあーたっっ‼」
目の前で口喧嘩を始める。
煩くてバレないかとひやひやした。
キーンコーンカーンコーン……。
予令が鳴り、口喧嘩はピタリと止まった。
「とりあえずこのことは誰にも言わないからね。それと俺以外にも一組の未空イナホさんも見えるからなんかあった時はどんどん頼ってよ‼」
そう言って天野君は教室へ向かった。
少しして私も教室へ向かった。
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アミュレット - 今日も良かったです! (2017年5月18日 20時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね!焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています! (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年5月5日 18時