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七十七 ページ27

始業式の日は半日。

学校が終わると私は教室に残った。


「そんなに嫌だったのか」


「……ううん、どうすればいいのかわからなかっただけ。考えてみれば同じものが見えていれば変なんてことないもん……。でも話すのとかはやっぱり苦手……」


オロチは座っていた机から降りると窓の方を見た。


「……少しずつ慣れていけばいい」


「何回もそれ言ってるよね、……分かってるよ。でも妖怪はまだ、無理……」


あの事件が終わって以降私を襲う妖怪はぱたりと途絶えた。

オロチに聞いてもなにも知らないらしい。

急に普通の生活と近しい状況になって違和感を感じることはある。

でもそれも時間が消してしまうだろう。

皆が普通という線にいるとするなら私はまだ2、3歩後ろにいる。

いつかは同じように線の上を踏んでいたい。

本当に、そんなことがあるのだろうか。

神様は私にそれを与えてくれるのだろうか。

ふとオロチがなにか言いたげな顔をしてこちらを見ていることに気づいた。


「……帰ろっか」


立ち上がってランドセルを背負った。

オロチは教室の扉へと向かう。

私はなんとなくそのオロチの腕を掴んだ。


「どうした」


オロチは一瞬目を丸くした。


「……帰るの」


全く答えになっていない。

それは自覚しているけど理由なんてなにもなかった。

オロチはおどおどしている私を見て、掴まれた腕を引き抜き、私の手をそっと握った。

ぶわっと暑さが増した。


「……嫌ならいつものように振り払って構わない」


私はぶんぶんと頭を横に振った。


「……帰ろ」


1歩足を踏み出した瞬間


「きたきたきたぁーー!!!」


と、声とともに扉が開き、人がなだれ込んできた。

天野君と妖怪二匹とあと……。


「あ、はは……ちわっち!」


「は、はぁ……」


謎のポーズで挨拶され私はどう返せばいいのか分からなかった。


「イナホいつまで乗っかってるダニ‼早くどくダニ‼」


「あーごめんごめん」


イナホさんの下から黄色い宇宙服着たうさぎが出てきた。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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アミュレット - 今日も良かったです! (2017年5月18日 20時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね!焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています! (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年5月5日 18時

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