九十九 ページ49
目を開けると私は住宅街の端っこでオロチに抱きかかえられたまま寝転んでいた。
「……ここは」
住宅街と言ってもいいのだろうか。
不思議で怪しい場所に私は不安感でいっぱいになった。
「……‼」
大勢の妖怪がこちらへ視線を向ける。
私は体を起こしてそこから逃げるように立ち去った。
いくら歩いてもそこら中に妖怪はいる。
どういうわけかここには妖怪と普通の人間の両方がいる。
人混みをかき分けて進んでも人は途絶えることはない。
「A‼」
後ろから腕を掴まれ、やっと足を止める。
「……勝手に行動するな。ただでさえ二人とはぐれたというのに……」
「……はぐれた？」
そこで私はイナホちゃんたちがいないことに気づいた。
それと同時に暗闇に入る前のことも思い出した。
「ぁ……私……」
「……今回のことはあまり簡単に許されることじゃない。泣いてもなにも変わらない」
オロチはそうやって冷たく私をあしらう。
「でも……っっまだ怖いんだもん……っっ‼」
意思とは反し涙はずっと流れ出てくる。
周りの人は何事かとちらちらとこちらを見ていた。
でも今はなにも考えられない。
「……いつまでも甘えるな‼私だって妖怪だ‼ここに住む奴らとなんの変わりもない‼何が違うと言うんだ⁉」
「オロチは特別だもん……‼」
私は周りの目も気にせず泣きながら叫んだ。
「特別特別と何故そう固執しているんだ‼いつまでもそうやって過去を理由に言い訳するのはやめろ‼」
「理由になんかしてない‼私だって頑張ってるのになんで分かんないの⁉第一オロチは少しずつでいいって言ってくれた‼だから……っ私は私なりに今日までやってきたのに……っっ‼オロチ最近おかしいよ‼なんで私のこと避けたりするの……⁉今１番私のこと分かってくれてるのはオロチだって思ってたのに……っっ‼もう嫌‼オロチなんて大っ嫌い……っっ‼」
私はそう叫び腕を振り払い、人混みの中へ逃げた。
追いかけられることもなくもうオロチがどこにいるかなんて分からない。
泣きながら無我夢中に走っているとようやく人も妖怪も少ない場所へ出た。
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アミュレット - 今日も良かったです！ (2017年5月18日 20時) (
レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - やっぱりオロチは、カッコイイですね(*^^*)主人公が危機にさらされた時には、必ず助けてくれる。私、オロチに惚れ直してしまいましたww (2017年5月15日 21時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます、頑張ります(^^) (2017年5月15日 7時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - あと、一話で六十話ですね！焦らずゆっくりでも大丈夫ですので、更新頑張って下さい(*^^*)応援しています！ (2017年5月14日 15時) (レス) id: f72bc11f9a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» 今書きますのでもう少し待ってて下さいね(^^) (2017年5月13日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2017年5月5日 18時
