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三十四 ページ34

うつらうつらしていると体がびくんとはねて目を覚ました。

あれから眠れずうつらうつらした状態が続いた。

時計を見ると12時をこしていた。


「……トイレ」


目を擦りながらそっと部屋を出た。

1階へ降りるとリビングから光が漏れていた。

構わずお手洗いに入った。

お手洗いから出ると大きなくしゃみがリビングから聞こえた。

こっそり覗いてみると公彦おじさんは
ソファに座って紙切れのようなものを眺めていた。


「……そんなとこ居ないでこっちおいで」


バレていないと思っていたからとても驚いた。

私はぎこちなくリビングへ入った。


「お腹空いてるでしょ。ドーナツ買ってきたから一緒に食べよう」


と言って公彦おじさんは白い箱の蓋を開けた。

中にはとても美味しそうなドーナツが幾つか入っていた。


「……でも夜中だし」


「いいの、今日は特別。それにAちゃん晩御飯食べてないでしょ」


首を横にふるとお腹がきゅるきゅると鳴りだす。

なんて空気の読めないお腹なんだ。

仕方なくソファの端っこに座った。


「どれがいい?」


「ぁ……えっと」


公彦おじさんはドーナツと私を見比べ、


「……苺でしょ」


と自信有りげに言った。

正解だったので私は頷いた。

苺のドーナツを受け取り、もそもそと食べ始める。


「ね、明日から1週間くらいAちゃんの家に行こうよ。掃除とかしないといけないし。予定って大丈夫?」


私は小さく頷いた。


「じゃあ宿題とか持っていく物準備しておくようにね。お風呂入ってくるから早めに寝るんだよ、おやすみ」


公彦おじさんはそう言ってリビングから出ていった。

入れ違いのように次はオロチがリビングに入ってきた。


「明日から1週間くらい向こうの家に行くって。……その間に見つかるといいね」


「……いや、私もついていこう」


そう言ってオロチは私の食べているドーナツをちらりと見る。


「……食べる?」


千切って口の前に差し出すとオロチはぱくりと食べた。

餌付けみたいだなと思ったがそれは言わないでおいた。


「……嘘って、人探し?」


自分から言わないでいいと言っておいたのに何故かそういうことを聞いてしまう。


「そう……かもしれないな」


そうやってあやふやに誤魔化された。


「……寝る」


なにを返せばいいのか分からず私は逃げ出した。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時

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