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十七 ページ17

「なにをしているんだ」


目の前に手を差し出される。

見上げるとそこにはオロチがいた。


「助けなんていらない」

手を払い除け、私は自力で立ち上がった。


「可愛くないやつだな」


「別に可愛くなくていい」


私はオロチを無視してすたすたと5年2組の教室へ向かった。


「……あれ、ない」


教室へ着いて自分の机の横を確認したが体操服は無かった。


「職員室じゃないのか」


「分かってるようるさいなぁ」


なんで着いてくるんだろうと思いながらも私は職員室へ向かった。


「失礼します」


オロチは職員室には入らず私だけ中へ入った。

職員室には誰も居なかった。

担任の先生の机に行くと、体操服の入ったピンク色の袋が置かれていた。


「勝手に持っていっちゃったらまずいよね」


職員室内を見回しても誰も居ない。


「誰かいるのかい」


肩をぽん、と叩かれ私は慌てて距離をとって振り向いた。


「ああ、ごめんね。驚かせちゃったかな」


そこにいたのは理科の先生だった。


「ぁ、その……すみません……」


「いいんだよ。……もしかして体操服を取りに来たのかい」


理科の先生は袋を手に取ると私に渡した。


「担任の先生からは僕が言っておくから」


「ぁ……ありがとうございます……」


袋を受け取ると私はさっさと出ていこうと扉へ向かった。


「今日は暑いね」


早く出て行きたかったのに理科の先生は世間話を始めてしまった。


「そ、そうです……ね」


「こんな日はホラー映画鑑賞でもすれば少しは涼しい気分になるだろうね。あ、引き止めてごめんね。……気をつけてね」


理科の先生は最後に含みのある笑いを浮かべた。


「し、失礼しました……」


私はぺこりとお辞儀をして職員室を出た。

「ね、オロチは何してたの?」


体操服の袋はみたいに紐が2つあるのでリュックのように背負った。


「やっと人探し始めたの?」


「……そうだな」


オロチは心ここにあらずという感じで返事をした。


「ここにはあまり人がいないようだ」


「皆プールに行ってると思うからそっち探せばいいと思う」


そう言うとオロチはこくりと頷いた。

下駄箱について私は少しだけ焦った。


「靴ない……」


「……中に入れたんだろう」


と、オロチは下駄箱の中を一個一個確認していった。


「私下駄箱に入れてない。ここに置きっぱなしにしてた……」


私は靴を置いたはずの場所を指差した。

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設定タグ:妖怪ウォッチ , オロチ , 剣城京菜   
作品ジャンル:アニメ
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剣城京菜(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます頑張ります(^^) (2017年5月1日 9時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
浅葱 - 不器用な感じが良いです更新頑張って下さい (2017年4月30日 23時) (レス) id: c9c24569e0 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - シオン!!さん» ありがとうございます頑張ります!! (2017年4月10日 16時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
シオン!! - 頑張ってくださいね! (2017年4月9日 2時) (レス) id: 4af10f54a6 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - *gami*さん» ありがとうございます!!頑張ります(^^) (2017年4月6日 0時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年4月4日 19時

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