夜桜48 ページ48
「ごめんずら……」
「ううん、全然いいよ。気にしないで」
それはいいのだけれど少し臭うようだ。
えんらえんらは私のことを鼻がくっつく程に近寄りくんくんと臭いを嗅ぐと眉をハの字にした。
「お風呂に入ってお洋服もかえなきゃね〜」
「……ぁ、あの、オロチが」
えんらえんらは話も聞かず私の背中をぐいぐいと押した。
「ばいずら〜」
少し遠くに聞こえる声に私は
「ば、ばいずら〜」
真似っ子をして返した。
「さ、服を脱ぎましょ〜」
脱衣場へ連れてこられると、えんらえんらに身ぐるみを剥がされ素っ裸となった。
「じゃ、替えの着替え用意しておくから入っておいで〜」
「ま、待って‼」
えんらえんらはそう言って消えてしまった。
こんなことしている場合じゃないのに。
でもこんな格好で外に出るわけにもいかない。
仕方なくお風呂に入ることにした。
中はなかなか広かった。
そしていろんな妖怪が利用していた。
その中に私がいるのは場違いなような気がした。
1番隅の目立たないとこの洗い場を使うことにした。
ちっちゃい椅子に座るとシャンプーも石鹸もなにも持っていないことに気づいた。
「ねぇ、よかったら私の使って」
「えっ」
私に話しかけてきたのは大きな木の桶に入った妖怪だった。
「……どうしたの?」
桶の中に入った下半身は明らかに魚だ。
お風呂なんかに入って大丈夫なんだろうかと思ったけど触れないでおくことにした。
「あ、これ?私人魚だからあまり水の外にはでられないのよ」
「は、はぁ……」
人魚は当たり前のように洗い場を使い始めた。
「ほら、あなたも」
人魚はシャワーを私に向けた。
まだシャンプーを使っていないのに突然髪が泡立ってきた。
「ほら、私が洗ってあげるわ〜」
その声はえんらえんらだった。
シャンプーが目に入る為、ぎゅっと目を瞑った。
「ん"ー‼」
目を瞑っていることをいいことに体中弄られた。
泡を洗い流してようやく目が見えるようになった。
「やっぱり女の子はお肌が命よね〜私も鱗のお手入れにもっと気をつけなきゃ」
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剣城京菜(プロフ) - 私も最初映らなかったのでおかしいなと思って何回か試したんです。でも直らなくてずっと放置してました(汗)つい今試してみたらきちんと表示されたのでもう大丈夫だと思います!ありがとうございました!!これからもより良いものが作れるように頑張りますっっ (2017年10月8日 22時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
青鯖。(プロフ) - あの、表紙の絵が半分より下が映ってないです…。最初はネット繋がり悪いのかな?って思ったんですけど、多分半分しか貼れてないと思います…違ったらすみません汗 夜桜語りも面白かったです!応援してます!長文失礼しました!! (2017年10月8日 19時) (レス) id: 87d9268c5a (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - アミュレットさん» ありがとうございます!これからも頑張りますっっ! (2017年9月8日 20時) (レス) id: d8b1658e8e (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット - 新作が出来て、嬉しいです(^^)これからまた、頑張って下さい! (2017年9月8日 18時) (レス) id: f05737ad1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2017年9月1日 18時