なむおりふれんず！ (ページ32)

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まさまの抵抗ページ32

まさま「えっと……そんでね……」
無限「あぁ、それは……」

まだまがきさまの様子を見に行っている頃、
まさまは姉の頼まれごとを遂行するべく、必死に無限と会話を続けていた。

しかし、もう小1時間会話を続けている。
無限のことを大して知っている訳ではないまさまは、段々と話題が無くなってきていて焦っていた。

ならばと他の姉弟を頼りたいところだが、生憎1人は仕事、1人は旅行……と、家に残っている者はそれこそ、怪我人のきさまとそれを看病するまだまだけだった。

……今のところ無限はまさまのことをただ“会話が好きな子”程度に思っているようだ。
このままさいたまが帰ってくるまで、何とか怪しまれずに家に留めて置ければいいが。

まさま(……っくそ〜、こんな時に限ってなんでみんな出かけちゃうんだよ！)

無限「……どうした？何かおかしなことでも言ってしまったか？」
まさま「えっ？ううん！そんなことないよ！」

どうやら心の中でついた悪態が表情に出てきてしまったらしい。
そんなまさまの様子を見た無限は、なんだか少し申し訳なさそうな顔をした。

無限「……やはり、少し長居し過ぎてしまったようだな」
まさま「……え！？そ、そんなことないって！！」
無限「……いや、しかし……」

まさまは必死に頭を回転させ、何とか無限を帰らせない方法はないかと考えた。

では、まだ話があると告げるか？
いや、唯でさえ話題が尽きかけているというのに、下手なことを言うと怪しまれる。
それなら、昼飯も食べていけと言うか？
……いや、それも少し遠慮がちな彼女の性格を考慮すると、逆効果になってしまう。

まさま(……どうしよう…………)

今までまさまのことを見つめていた無限は、ちら、と壁がけの時計へと目をやってから、もう一度まさまへと顔を向けた。

無限「……もうお暇するよ。温かい食事と寝床を提供してくれたこと、本当に感謝している」
まさま「…………」

まさま(……さいたま姉……ごめん。もう僕には止める方法がわかんないよ……)

無限が立ち上がり、いよいよもうだめだとまさまが諦めかけた、その時、

さいたま「たっだいまぁ〜っ！！」

そう言って、まさまの待ち焦がれていたその人は、元気よく玄関の扉を開け放った。