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陵side
「はぁ...」
何で俺が、こんなことを。
心の中でブツブツと文句を言いながら、だるい体でゆっくりと階段を上がる。
たまに霞む視界がうざくて、それに対してもまたため息が零れた。
本当に、何でこんなことに...。
あのときちゃんと蓮に体調悪いことを言えていたら、今頃俺は保健室で休めていたのに。
言えなかった俺が悪いのは百も承知だけど、それでもやっぱりイライラしてくる。
何でこのタイミングなんだよ。
...いや、俺がトイレでもたもたしてたから休み時間になっちゃったんだけど。
もやもやと考えながら歩いて行くと、資料室に着いた。
古びた旧校舎の、1番端にある教室。
階段を上ったせいか、息があがる。
...もしかしたら熱も上がってしまっているのかもしれない。
さっさと資料を置いて保健室に行こうと扉に手をかけるも、その扉は開かなかった。
...そういやここの扉は古すぎて開けにくかったっけ。
ただでさえ開けにくい扉は、今の俺の体調では片手で開けられなくて、仕方なくかがんで床に資料の山を置いた。
そこから立ち上がった瞬間、ぐにゃりと視界が回る。
「っ、と、危な...」
何とか壁に手をついたものの、今のは本当に危なかった。
.....自分で思っているより、体調悪いのかもしれない。
ようやくその実感が湧いてきたものの、そんなの今さらすぎる。
...とりあえず資料を置いてしまおう。そしたらもう休むだけだから。
両手に思いっきり力を込めて扉を開けて、それから足元の資料を拾い上げる。
中に入るとやっぱりそこは埃っぽくて、ため息が零れた。
「...あそこでいっか」
適当な場所に、資料を半ば投げ置く。
これで終わりだ、と顔を上げると、しっかり閉まった扉が視界に入った。
──その瞬間、思い出す。
前回ここにひろと入ったとき、あの扉は確か、開かなくて。
どく、と嫌な心臓の音が、響いた。
「...いや、まさか、」
開くはず。だって入ってくるときは、開いたし。
そう必死に言い聞かせるものの、1度思い出してしまった途端、俺の手は情けないほどに震えていた。
こんな手じゃ、開くものも開かない。
「...っ、ふ、」
大丈夫、大丈夫だから。
あがる息を抑えながら、扉に手をかける。
酸素が足りなくて、視界が滲んだ。
「っは、はぁ...っ」
息が、吸えない。
上手く力の入らない両手で必死に開けようとした扉は、少しも動かなかった。
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暁☆(プロフ) - ayahanaさん» こちらこそいつも優しいコメントありがとうございます！ おかげでまだまだ続けられそうです (*´ `*) ぜひ今後ともよろしくお願い致します〜！ (2021年2月13日 9時) (
レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！まだ続けて下さるどころか頻度上がるかもということで凄く嬉しいです、次のお話も楽しみにしています！ (2021年2月13日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - ayahanaさん» お待たせして申し訳ありません！こちらこそ読んでくださりありがとうございます〜<(_ _)> (2020年8月20日 7時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年6月23日 20時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2018年6月15日 20時
