結果 ページ4
ずいぶんと重い選択肢が出てきたなぁ
自分で言うのもなんだけど何か誇れることをしたかと言われれば「なんにも」と答える
そりゃそうだ 学校でも日陰者だったし友人と言える人は少なく自分から何かした経験は０に等しい
だから、こう問いてみる
「ねぇ キュレム あなたは何がしたいの？」
「我がしたいこととな…」 「えぇ アレがしたいコレがしたい 無いの？」
「特にない 我は『虚無』を司る竜である この肉体も貴殿達が言う『心』とやらも虚無と
なっているため何かを成し遂げたいといった願望はない」
「ふーん 面白くなさそうね それ」
「…………何？ 矮小な存在ごときが我に歯向かうか！！」
「歯向かうわけじゃないわ 新しい選択肢を増やすのよ」
「どういうことだ」
「私は『英雄になる』なんて超絶重い使命はいらないわ
だけどこのまま死ぬってのも煮え切らないんでね」
これは、私が始めてする「自分から動く」だ
「私があなたの虚無を埋める器になってあげる その代わりあなたが持ってるその力
を使わせなさい あなたが望む『真実と理想の英雄』なんてものにはならないけど
『それなりの英雄』ってことならなってあげても良いわよ」
さぁ……どう出る
「ク… ククク………… ハーっハッハッハッハっ‼ 面白い！ 実に面白いぞ！！
そんな問いをするのは貴様が始めてだ！
我の虚無を埋める器だと？ 貴様如きに出来るはずがなかろう！」
「保証はないわ 埋められる根拠もない
だけど、あなた以上にやりたいことはたくさんあるって確証はある
そんな私の『やりたいこと』を何度も見てたらちょっとは出てくるんじゃない？」
「随分と大きく出たな」 「これくらいじゃないと 対等に渡り合えないもの」
「やれやれ我もだいぶ重傷なようだ 貴様のその提案に乗りたくなってみたわ」
「じゃあ、契約ね？」
「あぁ、契約だ 我の額に触れるが良い」
「触れた瞬間凍り付いたりしないわよね」 「今から契約する者にそんなことせんわ」
「そう ならこれからよろしくね キュレム」
「あぁ それで？貴様の名はどんな名前だ？」
あれ、言ってなかったっけ まぁ、選択肢のことしか話してなかったしね
「A 私の名前は『香月 A』よ よろしくね」
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作者名：礼堂 | 作成日時：2020年10月6日 4時
