あなたへ錨草 . fatal!error ページ23
*
そっと、腕にたくさんの花に口付けをする。
すん、と花の特徴的な、優しい匂いが私の鼻を通る。綺麗にラッピングされた花達は、私の腕の中で、眠りに落ちて。
この花たちに囲まれながら、彼の元へと足を運ぶ。
「あ？……んな花持ってきてどうしたノ？」
いつも通り、弟さんのコードを探し続けている彼の隣にちょこんと座る。
「きれいでしょ、」
と伝えればああ…？と曖昧な返答が返ってくる。
そんな姿も彼らしいな、とおもいながら彼に花束を差し出す。
それを見て、彼は溶けた左目を細めた。
「錨草。貴方の誕生花だよ」
「いかり…そう？……じゃあ俺にくれんダ？」
こくん、とそれに頷くと、
花束を私の腕の中から取り出す。それを胸の前で抱えては、きょとんとした顔でこちらを見つめ続ける。
「お誕生日おめでとう。フェイタルエラーくん」
「……ありがとウ。久々かもな、誕生日を祝われるの」
少し照れくさそうに、きゅっと柔く花束をだきしめた。
「錨草の花言葉、知ってる？」
そう尋ねると首を横に振った。おしえてあげよう。
そう口を開いて教えると、また驚いたような顔をした。
「あなたにぴったりでしょ？」
「……はは、そうかもナ」
そうまた少しだけ微笑んで、ひとつ、錨草を摘んだ。
その摘んだ一輪を、私の耳の上にやさしく、そっと挿す。
「似合ってル。その言葉も…そのまま」
「あはは、それは照れちゃうなぁ」
「お、俺だって同じこと思ってるから…ナ」
「そっか、まあいいよ。これからもよろしくね。」
そう片手を差し出すと、花束を片方で抱え、しっかりと握ってくれた。
ずっと、一緒に居ようか。キミが望むならね。
錨草——————————-
『貴方を離さない』
『旅立ち』
○3/13日の誕生花.
◎由来は船の錨に似ていることから .
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ユズ - 知ってる歌の歌詞がタイトルになってる...!（嬉しい） (3月8日 9時) (
レス) id: ad7a46ecd5 (このIDを非表示/違反報告)
世落さんず - いつも神作品をありがとうございます！！！更新応援しています！！( •̀ ω •́ ) (2月25日 22時) (レス) @page11 id: 0a59ca876b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごれもん | 作成日時：2024年2月11日 21時
