ひとめぼれ！ killer ページ1
ひゅっと、思わず自分の息が詰まった。
目の前のモンスターは、私の腹に骨を刺した。
だけど、不思議と痛みは私を襲わない。
意味がわからず私が両手をあたふたと動かしていると、刺したモンスターが答えた
「動くと死ぬよ」
そう言いながら目を細めた。その様子に私の頭はごちゃごちゃになる。
刺されているのに痛みは感じないし、目の前のモンスターに動くなと言われ、
その上モンスターは楽しそうにナイフをくるくる回し、私の様子を見て楽しんでいる。
今すぐにも泣きたかった。この場面から走り出して逃げ出したい。
「なんでわたしなん…、」
と堪えていた目の奥の熱が溢れ出てくる。その熱…いや涙は私の頰を伝った。
ぼろぼろと泣き出す私を見てモンスターは間抜けな声を出した
「はァ？なんで泣いてんの。こわ〜い」
貴方のせい、って。
今すぐにも叫んで誰かに助けを求めたい。
でもそのナイフで何をされるかが分からない、だから無駄に行動は起こせない。
それになんだか悔しかった。意味のわからないモンスターに負けてるような気がして。
すこしだけ下唇をかんだ。いつのまにか両腕も下げていた。
泣き止もうとも、ぼろぼろと涙は止まる様子がない。ぎゅっと涙が溢れ出る目でモンスターを睨んでやる。
そうするとモンスターは私に近寄った。先ほど回していたナイフが私の頬を掠る。
涙とは別に謎の液体がツー，と伝う。掠った頰からは痛みを感じる。
傷をつけられた。そう確信した。
頰を伝う涙が、掠った頰の傷に塩を振るように染みる。痛い。
「やめ、てよ…」
と情けない声でモンスターに訴えるしか無かった。その様子を下から上までじろりと見つめると、モンスターは口を開いた
「ふふっ、……やぁだ♡」
と腹に刺さった骨が無くなる。やっと動ける。
今のうちに逃げないと。と体を捻って後ろへ駆け出そうとした時、
パシッとモンスターに片腕を取られた。ぎりぎりと力が込められていて、振り払えない。
もう片方の手でモンスターは私の顔を無理やりモンスターの方へ引き寄せる、逃げれると思ったのに
モンスターは手を添えたまま、私の頰の傷に舌を当てる。
ぞわっと無駄に姿勢が良くなった。ぬろ…という舌遣いで頰を舐められる。
やがて頰から舌が離れた時、モンスターがこう答えた。
「うーん、しょっぱいなぁ」
「…あァ？
もう、そんな怖い顔しないで？俺、キミのこと別に取って食べないから」
何が取って食べない？既に私に傷をつけたくせに。
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ユズ - 知ってる歌の歌詞がタイトルになってる...!（嬉しい） (3月8日 9時) (
レス) id: ad7a46ecd5 (このIDを非表示/違反報告)
世落さんず - いつも神作品をありがとうございます！！！更新応援しています！！( •̀ ω •́ ) (2月25日 22時) (レス) @page11 id: 0a59ca876b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごれもん | 作成日時：2024年2月11日 21時
