オクタヴィネルには、リーチ兄弟以外にも双子がいた。

ゴーストマリッジ ページ16

1人、また1人と生徒が学園内から避難してくる。

エースさんやデュースさん、ユウさんにグリムさん、それに学園長までもが避難してきた。

学園長の力を持ってしても、あのゴーストには敵わない。ということでしょうか。

「学園長。このような大々的なゴーストのイベントは何事でしょうか。結婚式とゴーストさんは仰っていたので、どなたかがゴーストさんのつがいに選ばれたのですか？」

クロウリー「ええ。あなた達のよく知っているあの子がまさか選ばれてしまうなんて……。」

と、嘘泣きを始める学園長。
大の大人がみっともありませんね。

オルト「それは僕から説明させて。あのね、昨日兄さんが………。」

と、話を続けるオルトさん。

オルトさんのお話を聞くに、イグニハイド寮寮長であり、我らがボードゲーム部の部長たるイデア・シュラウドさんが花嫁ゴーストのお眼鏡にかなってしまった為、拐われ、現在、結婚させられそうになっているとか。

それを聞いた私達は大声を上げて笑った。

いつもは部屋から出てこず、タブレットでなんでも済ませてしまわれるイデア先輩は、たまたまお外に出ただけでゴーストのお眼鏡にかなってしまったとは…(笑)

花嫁ゴーストさんの好みの男性は、なんとも具体的で抽象的だ。

・180センチ以上の高身長。
・贅肉の付いていないスリムなボディ。
・清潔感あふれる美肌。
・切れ目の瞳。
・チャーミングな笑顔。
・キューティクルが光り輝く髪。
・思わずキスしたくなる印象的な唇。

具体的な数字はあっても、180センチ以上という、なんとも曖昧な数値。

これはなかなか満たされないと思っていたが、よくよく考えてみれば、イデア先輩は高身長ですし、スリム体型ですし、白く美しい肌ですし、切れ目ですし、チャーミングとも取れる笑顔、光り輝くというより燃えている髪、印象的な青い唇。

「ふふ………。こんな時にお外に出てしまわれるなんて………おもしr………いえ、とても災難ですこと………。ふふふっ………！」

クロウリー「笑い事じゃありませんよ！」

と、怒った声で言った学園長。

仮面で顔が隠れてはいるが、その顔には怒りが見えた。


この後聞いた、ゴーストと結婚することの意味を知り、私たちはその場で身震いすることになることを、その場にいるみんなは知らなかったようだ＿＿＿………。

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