【天馬司】おれだけみてよ、【プロセカ】

かわいいが34回 ページ35

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「司くんっていっつも元気だけど疲れないの？
最近特に笑顔増えたけど…」

「…元気でいて疲れるとは？」


10分休みに髪をいじりに来たAに、ふとそう言われた

疲れる

そう思ったことはずっと無かった

そもそも元気でいて疲れる人などいるのか？

考えているうちに少しずつ不安になってくる

オレは…もしかして周りからわざと明るくしていると思われているのか？

素でいるこれが作られたキャラだと思われてる？

うーん…よく分からなくなってきた


「んー…それならいいんだけど
気づかないうちに無理して死んでそうだからちょっと心配」

「そんなことは無い！自分の限界くらい把握している！」

「ほんと？…はいできた〜今日も可愛い」

「おー…なんか前より手が込んでないか？いつもありがとうな！」


Aがしてくれるヘアアレンジはいつも丁寧だ

10分もない時間でここまで出来るのは普通にすごい

すごいな…と鏡に映る自分をじっと見つめていると
さっきの話もあり、何だか変な考えばかり出てくる


ショウのため 仲間のため 好きな人のため …妹のため

みんなを笑顔にするスターが元気じゃなくて…笑っていないなんて…おかしいじゃないか

オレはスターだから 笑顔でいるのは当たり前なんだ

笑顔じゃないオレは スターじゃないオレは

…一体何が残るっていうんだ？


そこまで考えてハッとする

どうしようもなく鏡を割りたい気持ちになったが、教室でそんなことする訳にもいかなくて雑にカバンに突っ込む

どうしてそんなことを考えた？今の自分に不満があるというのか？

そんなの…そんなの、あるわけが無い！！

自分の元気で、笑顔で、周りも元気になってくれるのが何よりも幸せだろう

こんな楽しい生活に、幸せな、恵まれている生活に

何故、どうして、嫌だと言いたくなったんだ


「…天馬お前、大丈夫か？顔色めっちゃ悪いけど」

「オレは元気だし大丈夫だぞ？心配は無用だ！」


心配をかけてはいけない

笑え、笑わなければ

…あれ


「…やっぱり、調子が悪いみたいだ 保健室へ行くと先生に伝えてもらえるだろうか？」


おかしいな


「ああ、伝えておく ちゃんと休まないとダメだぞお前」


口角が上手く、


「…ありがとう」


上がらない

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