僕たちのなかに殺人鬼がいる (２)

Episode 51 ページ6

桃『...なぁ、ころん。』





青『ん？どうしたのさとみくん。』





仄暗い廊下を歩き始めてしばらくすると、

さとみくんが遠慮がちに口を開いた。





桃『変なこと聞くけどさ、

　 お前って一人っ子だったよな？』





青『え、そうだけど...

　 どうしたの急に。』





僕がそう答えると、

彼はもっと難しそうな顔をして

「そうだよなぁ...」と呟いた。





青『なになに、

　 僕が一人っ子だとなんなの？』





桃『いや、別に。

　 ただ中学のときにお前そっくりな

　 女の子がいたのを思い出しただけ。』





青『え、めっちゃ気になる。

　 無事に家に帰れたら卒業アルバム見せてよ。』





今まで僕に似た子がいるなんて

一度も聞いたことがない。





しかも性別違うのに似てるって。





そんなこと言われたら気になってしまう、

写真でいいから一度その子を見てみたい。










でも、卒業写真を見せてくれと頼む僕に

さとみくんが返した言葉は、

僕が思っていたものと全く違っていて。



















桃『アルバムにその子、載ってない。』





青『え、なんで？』



















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桃『...その子、中一のときに

　 他の生徒からのいじめで自 殺したから。』










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