青道の貴公子

増子先輩 ページ33

その後は部屋に戻って飯を食って倉持さんと話していた。沢村は、夜のどんぶりを今朝の分渉に回した事で一つ多く食べるはめになったらしい。おかげで部屋に戻ってげっそりしてる。俺と亮と渉は、倉持先輩にようがあって部屋に入った。
　
新田「倉持さん、聞きたいことがあるんですけど良いですか？」
　
倉持「どうした新田と友沢と高瀬？」

新田「名前で呼んで下さい。苗字だと距離が感じるんで」

友沢「奏太に同意です」

高瀬「俺も」

倉持「あぁ。分かったよ。これからそうするよ。
で、何だよ？」
　
友沢「増子さんって副キャプテンって聞いたんですけどレギュラーなんですか？」
　
倉持「ああ、ただあの人は前の試合エラーでレギュラーから外れた。今年がラストだから部屋を出て素振りしてる」
　
いつもは俺達をからかっている先輩だが真剣に話す所を見て思った。
　
友沢「(三年生はラストチャンスか)そうですか自分も自主練してきます」
　
倉持「おいおい、今日あれだけ動いてまた自主練かよ？お前ら持たなくなるぞ？それに明日、入学式あるんだぞ？」
　
新田「これぐらい大丈夫です。いつもこのぐらいは動いてたんで問題ないです」

友沢「あぁ。
シニアの時もそうでしたら」

高瀬「そうですよ！！」

新田・友沢「初日から寝坊したやつが言うな」

高瀬「うっ...だから謝ったじゃん」
　
倉持さんにそう告げて俺達も自主練を始めた。
　
倉持「沢村、今回は主にお前が悪かった。
確かに俺達もお前を遅くまで付き合わせたのは悪かったけど今度から遅れんなよ」
　
沢村「え？いきなり、なんだいたたた」
　
倉持「いいか、昨日言ったように増子さんはたった一つのエラーでレギュラーから外れた。
三年で後がなくて今はああやって練習が終わったら自主練してる。
お前にはまだチャンスがあんのに勝手に落ち込んでんじゃねぇ。
大体なぁ自分自身の力で乗り越えないでどうすんだ？」ｷﾞﾛｯ
　
沢村「んなこと、言わなくたってわかってるっすよ」
　
倉持「分かったらその悪い口をなおせ！！頭冷やしてこい」
　
倉持はにっこりと笑い絞め技に力を入れ、栄純から悲鳴が聞こえた。
　
沢村「ギャアアアアアアア」
　
倉持(それにしてもこの馬鹿も馬鹿だが、あの野球馬鹿は少し異常だな。ちょっと心配だし見てくるか)
　

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