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37話 ページ37

そして伊黒君から背中を死ぬほど押されてなんとかゴールに辿り着くことができた。

お化け屋敷の中は暗かったからいきなり明るい廊下に出ると目が慣れない。明るすぎる照明に反射的に目を細める。



「ふぅ、やっと終わった……って伊黒君!?
ちょ、大丈夫…?顔色すごく悪いけど…。」



くるりと振り向くとそこには壁に全体重を預けて顔色がとてつもなく悪い伊黒君が立っていた。

あまりの弱りように思わず慌てふためいてしまう。



「………別に問題ない。」



絶対に問題大有りの伊黒君が絞り出すように声を出した。



「…保健室行こっか。」

「やめろ。俺が貧弱に見えるだろう。」

「そんな可愛らしい理由なのね。」



小さな子供のように保健室には行かないと駄々をこねる(言い方)伊黒君を宥めていたその時。



私は背後に誰かの気配を感じ取った。


くるりと振り返るとそこには。








「……オメェら何してんだよ……。」



ペットボトルを片手に持った不死川君だった。



「あ、不死川君。丁度良いところに。
伊黒君が具合悪いのに保健室行こうとしないの。」

「おいやめろ…。」



伊黒君はあからさまに嫌そうな顔をした。

あ、不死川君に具合悪いところ見せたくなかったのかも。そしたらなんだか申し訳ない…。



「…オメェ、体調悪ィのか?」

「別に、大したことない。」



その言葉とは裏腹に伊黒君の顔色は悪いままだった。

それは不死川君から見ても一目瞭然だったらしく、はぁ、と息をつくと次の瞬間。



不死川君が伊黒君を担ぎ上げた。



「は?おい、不死川、何をしている。放せ今すぐに。」



溜め息をつく不死川君の上で抵抗する伊黒君。

伊黒君が女子だったら多分不死川君に恋してたと思う。だってベタな少女漫画の展開じゃんこれ。(偏見)



「A、お前も来い。」

「え、あ、うん。」



不死川君直々にお呼び出しをくらってしまった。これは行くという選択肢しか私には残されていないということですね。



…私の必要性がわからない。








.








「不死川、降ろせ。自分で歩ける。」


「不死川君、たぶん伊黒君はお姫様抱っこが良いんだよ。」


「お前ふざけているのか?」


「すみません。」

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aya(プロフ) - ラストに向けた展開に心揺さぶられました! (2021年6月8日 2時) (レス) id: 72cb3c8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - ヤバっ!トリハダたちました…! (2021年5月16日 13時) (レス) id: 328ef4fff0 (このIDを非表示/違反報告)
- 学園祭のお話がすごーく良かったです!高校時代に戻りたくなっちゃった。茶道部だったから不死川さんにお茶点てて差し 上げたいわ〜。 (2021年3月14日 0時) (レス) id: 7c1fbdaf37 (このIDを非表示/違反報告)
くれ - めっちゃ面白いです (2021年1月2日 17時) (レス) id: f26c98ad88 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の水道水(プロフ) - いやなんかw主人公の実況が好きすぎてw (2020年11月18日 7時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月11日 23時

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