『Tresor 』～Cinderella★Dream～ (ページ3)

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★ ページ3

所謂…神童…

いや、正真正銘の天才というやつか…。

そんなヤツが本当に存在してたとは…。

今までの人生で会った事もないし、半信半疑だったけど。

潤『間違えなく仕事はできるし、ハンパなく頭もキレる。ただ…。」

その先を言い澱んだ潤に…

『いいよ。要は俺らがついて行きたいと思える人かどうかだ。』

そう告げると、安心した笑顔を浮かべて力強く頷いら。

実は俺の趣味の世界で俺の腕を買ってくれて破格の給料を提示してくれた企業もあった。

けど、そこでは俺が楽しめない…

越えるべき俺以上がいないとやっぱり面白くないと返事は濁していたけど、それは正解だったみたいだ。

潤『学生気分のまま中途半端をしてるとすぐにふるい落とされるからな？仕事の面ではホント厳しいから。』

『上等だよ。』

ある方面でのみ天才と言われたこの俺を飼い慣らしてくれる器の持ち主じゃないとコッチも面白くない。

智『俺もニノと一緒ならなんだっていい。』

そう言って俺の腕に手を回す。

大学でもこの人はこうやって俺に引っ付いてるからゲイカップルと散々疑われたし、今更もう振り解く気にもならない。

それに今ではみんなノーマルで女の子大好きだって知ってるし。

雅『…俺…大丈夫かな？』

不安そうなまぁくんに潤は頷く。

潤『翔くんにさっき言った事…嘘でも売り込む為のお世辞でもないからな。』

真剣な目でまぁくんをジッと見て伝える潤にまぁくんの目も力が籠る。

潤『じゃぁ、決まり！』

嬉しそうに笑う潤とみんなでハイタッチをした。

・・・その後、無事に卒論を仕上げ、みんな揃って卒業をし…

翔『俺の会社に来た以上、俺が絶対だという事を忘れるな。俺の会社に使えねぇバカはいらねぇ。ついてこれねぇと自信のないヤツは即刻立ち去れ。』

今時、そんな事を言い放ってパワハラだなんだと訴えられないのかね？と心配しつつ、入社式で聞いた社長様のありがたいお言葉。

翔『だけど、振り落とされずついて来るヤツに俺は優しいぞ？』

ニヤリと笑って一礼もせずにスタスタと入社式の会場を出て行った。

年功序列…

忖度、コネ、縁故…

そんなモノは一切関係はなく、弱肉強食の完璧に実力主義だという事だ。

『おもしれぇ【面白いじゃない】』

俺がそう呟きほくそ笑んだ時に同じ言葉が聞こえてきて、思わず声のした左隣りに目を向けると、その声の主も俺を見ていた。

ーーーそれがAとの出会いだった…。