心底にあるもの [tty] #req. ページ19
Setting = 彼女
(ヒロインに浮気癖/依存癖有。ハピエンですが序盤は暗め注意です〜)
#
ねえ、きづいて。
てつやは私の事 もうそんなに興味ないのかな。
銘柄の違う煙草の香り
露出度の高い服装
いつもと違う香水
見慣れないネックレス
てつやの家に訪ねる頻度
変わってるはず、少しずつ変わってるはずなのに。
じわりと枕に涙が滲み込んでいく。
他の男と遊んで、身体だけ満たしていくだけで 何もかもマイナスにしか動かないこの状況に吐き気がする。
浮気なんてやめたい、一人じゃ寂しい、構って欲しい、言い出せない、嫌い、嘘、大好き。
「…あーぁ。」
ごろんと寝返りを打つと無意識に抱き寄せてくる“違う”男の匂いに嫌気がさして、引き留める声も聞かずにホテルを飛び出した。
.
夜更けの名古屋。
終電なんてとっくに行ってしまった。
駅の近くのネットカフェに入るか。いや歩いて帰っちゃおうか。なんて。
石ころを蹴っ飛ばしながら歩いてると、ぐんと腕が後ろに引っ張られた。
「A」
「…てつや」
振り返るとてつやが居た。会えるだけで忙しなく動く心臓が痛い。
いつもは優しく笑ってるだけのてつやの目がギラリと光ったような気がした。
「何回目？」
「なにが」
「他の男に抱かれんの」
ひゅっと喉が鳴る。咄嗟に逸らした視線はアスファルトに注がれる。
今まであんなに気付いて欲しかった浮気が、バレたことで息も出来ない。てつやともおしまいなのかな。
「否定しんの？」
「……」
「俺に飽きた？」
ちがう。
視線を上げることも声を出すことも出来ず立ち尽くす。
沈黙は肯定を表してしまう。
「……そう」
引き留めて悪かったな と私を掴んでた手がするりと解け、視線を上げると去っていく背中が見えた。嫌な事から目を背けるようにアスファルトに視線を戻すと、小さく吐き出すように呟いた。
「――すき、だよ
ばいばいしたくないよ てつや、」
ぼたりとアスファルトに涙がこぼれて、しゃがみこんだ。嗚咽が止まらない。
急に視界が真っ黒に塗り潰された。
てつやの匂いだ。
「……遅えわ。死にそうな顔すんなら追いかけてきん」
.
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遊馬(プロフ) - ゆさん» 長い間ご愛読頂き有難うございました！ひとつひとつ時間をかけて生み出したお話を気に入って頂けてとても嬉しいです。またお時間ある時に読み返して頂けたら嬉しく思います…！どうぞこれからもよろしくお願いします。 (2020年2月2日 2時) (
レス) id: fccb4604d0 (このIDを非表示/違反報告)
遊馬(プロフ) - 怜さん» 長い間ご愛読頂き有難うございました！初期の方は見返すと小っ恥ずかしい気持ちになりますが、どのお話も気に入って頂けて作者冥利に尽きます…。これからもどうぞ作品共々よろしくお願いします！ (2020年2月2日 2時) (レス) id: fccb4604d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！どの話もとても楽しく読ませて頂きました、、！終わってしまうのはとても悲しいですが、さらにまた読み返そうと思います！新作がもし出来たらすぐに読みに行きます！！ (2020年1月31日 21時) (レス) id: 2e60baebd0 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 完結おめでとうございます！どのお話もとっても好きで、3作ともたまに読み返しています…他の作品の更新も頑張ってください〜！ (2020年1月31日 21時) (レス) id: 291ffdfed4 (このIDを非表示/違反報告)
Flower 328(プロフ) - リクエストありがとうございました♪甘々で溶けました…… (2019年12月6日 9時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊馬
| 作成日時：2019年7月5日 23時
