*NEARER

視線 [ry] #req. ページ28

Setting = 同級生 両片想い

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視線が合って、ふっと逸れるような

不確かな恋をしている


「――流石に大学まで被せられんよね…」
「まあ、Aが工業大学に好んでいくようには見えんわ」


けらけらと笑いながら落ち込んでる私に声をかけるのは小中高と一緒に過ごしてきたとしみつだ

…いわゆる幼馴染。


「笑い事じゃない…りょうくん大学行ったらモテモテになっちゃう」

「今でもモテるげ」
「〜〜知っとる！ちょっとは私の気持ちに寄り添ってよ！ばか！」


勢いでそのまま机に突っ伏すと、優しい手が伸びてくる。
何だかんだ落ち込んだ時にはちゃんとフォローしてくれる優しいやつだ

…デリカシーにかけるけど。


「いいから覚悟決めて夏休み入る前に告白しん」
「…フラれるだけじゃん」

どうかな、と言葉を濁しながらポンポンと頭を撫でられる。
としみつの視線の先にりょうくんがいたことを、その時の私は気付かなかった。


.


「としみつー帰ろー」
「あー…俺今日ミーティングあるからりょうと二人で帰って」


りょうくんと何度も二人で帰ったことはあるのに、先ほどのとしみつの言葉がフラッシュバックして顔が赤くなった。


「頑張れよ。」


じゃあな、と手を振って教室から出て行くとしみつと入れ違いでりょうくんが入ってきた。


「…あれ？としみつは？」
「ミーティングだって
先帰ってていいらしいよ」

「ふーん、じゃ帰ろ。」


何とも思ってない素振りで 軽く手首を掴まれる

触れたところが熱く感じるのは私がりょうくんにドキドキしてるから。


下駄箱につくと手は離れた


ちゃんと手と手を繋ぎ合える関係になればなあ、なんて。
思っちゃうよね。


.

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