ページ43
Tetsuya side
.
「は…はぁぁ??!」
新大阪に着いた瞬間かかって来たバディさんからの電話に出ると爆音で謝られる。
何を謝ってるのか見当もつかなくてようやく聞き出した一言は
“宿を取り忘れた”
と言うものだった。
「ええ…これ最終だよ?」
“っ…すみません本当に!”
電話越しにカメちゃんが顔面蒼白になってるのが窺える。見たわけじゃないけど。
…このミスはカメちゃんやタカオカさんのものではなく、押さえてたと思っていたホテルが手違いで取れていなかったみたいだ。
口論してたって埒があかないので勝手にどっか泊まるからいいよと優しく伝えて電話を切った。
えー。
どうすっかなぁ。
途方にくれながら突っ立ってると後ろから、え!という声が聞こえる。
「え?」
「本物……!」
「…あれ?」
「て、てつやさんだぁ…」
蚊の鳴くような声で呟く彼女を俺は知ってる。
心臓が急に仕事を思い出したようにばくばくと動き始める。
「Aちゃん…」
「!、覚えてて、くれたんですね。」
いつもイベントで会場内の片っ端から凝視して見つける笑顔をバッチリ真正面から捉えてしまい、急に顔が熱くなるのを感じた。
…アンラッキーからのまさかのラッキー。
思わず心の中でガッツポーズを決めた。
.
駅前は目立つので身を隠すように路地裏までAちゃんを引っ張って歩いて来た。
従順について来るのは無用心すぎるんじゃ?と心配になりつつ、それよりも一足先に会えた嬉しさでいっぱいだった。
「叫んで、ましたよね。
ドッキリですか?」
じっとこちらを見つめて来る、丸くて大きい瞳にキュンと心臓が悲鳴を上げる。
やばい俺完全に恋する乙女やん。
やっとの思いで口を開いてさっきの経緯を話した。
「……それじゃあ、今晩、どうするんです?」
「うーん…」
どうしようかなぁと唸る俺を見て、おもむろに携帯を取り出してどこかへ電話をかけ始めた。
.
378人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フラワー(プロフ) - 更新ありがとうございます。サプライズいいですね〜♪ニヤニヤが止まりません…。夢の国ってとこがまた最高です!! (2019年10月18日 8時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 更新お疲れ様です!アンケートの返答として、橙さんが見たいです!第2希望で茶さんでお願いします! (2019年9月26日 20時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまです。アンケートですがゆめまるとリダを見たいです。これからも頑張って下さい! (2019年9月26日 13時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
なぁぴょん(プロフ) - 遊馬さん» ありがとうございました!!とても素敵なお話で読んでて楽しかったです(*´ω`*) これからも更新楽しみにしてます! (2019年7月8日 13時) (レス) id: c52ad61130 (このIDを非表示/違反報告)
フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまでした。リクエストですがゆめまるのちょっとエチな感じの見たいです。結構内にはエロさを秘めてるので。すいませんがよろしくお願いします。頑張って下さい。 (2019年7月6日 6時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:遊馬 | 作成日時:2019年5月21日 16時