太芥中『場所は住宅街、現状はマジ危険、殴る準備万端』 ページ3
◆
生きてきたなかで面倒臭いなと思ったことは、敦との関わり方だったり、変わった先輩への接し方だったりと、色々あった。が、この状況は今までのなんか宛にならない。
先刻から僕へ当て付けがましいことを言ってくる派手な髪色と髪型の男性二人組。一人は本当に柄が悪いが、もう一人はもはや人間と認めたくないほどに大きい(僕が小さいと言うのもある)
そして僕は俗に言うカツアゲをされている。もちろん金などないから断ろうとしているのだが、もしここで喧嘩沙汰のような事態になってしまったら。
きっと周りの人に迷惑をかけてしまうだろう。それだけは御免被る。
しかしそれでもなかなか抜け出せない。ここは逆方向に向かって走るか、いや、走れる距離が数メートルだけの僕に逃げ切るという選択肢はないだろう。
「……」
冷や汗が涌き出てきたその時。
また人間とは思えない速さと音と共に男たちは倒れた。反射的に目を瞑った僕だったが、懐かしい匂いが鼻を擽り、その姿を目に写した。
「太宰さん…中也さん…」
男たちをいまだに踏み続けている太宰さんと、優しく笑って僕の頭を撫でる中也さんがそこにはいた。なんだか急に目の奥が熱くなった気がして、僕は思わず顔を下に向ける。
「大丈夫か、芥川」
中也さんが優しく声をかけてくださるのにも関わらずただうなずくことしかできない僕の耳へ時々入る痛々しい音。
「おい太宰！手前いつまでそいつら殺ってる気だ！骨の数本折れてるぞ！」
「は？何？こいつら庇ってるの？私は今すぐにでも殺したいんだけど」
近寄るなど他のものには出来ないほど凄まじいオーラを纏う太宰さんへ謝罪をしようと、僕が口をあけた時
「謝らなくていいのだよ。さあ、一緒に帰ろう」
まるで僕の心を読んだように、太宰さんは手をさしのべてくださった。中也さんの怒りが爆発するまでもう僅か。
*
リクエストありがとうございました！
もうひとつ、童話パロは明日やらせていただきます。
ラッキーアイテム
デニムタイトスカート
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やつがれ愛し隊 - 最初から全部読ませていただきました。尊くて面白かったです!! (2021年9月9日 0時) (
レス) id: 2ccc567f0f (このIDを非表示/違反報告)
僕推し - 作品全て面白く、楽しく読ませていただきました！ありがとうございます！ (2019年1月2日 22時) (レス) id: ef4502d95a (このIDを非表示/違反報告)
月下美人 - とても面白いです！！！ (2017年10月7日 20時) (レス) id: b2db7ef5ff (このIDを非表示/違反報告)
藤見日和(プロフ) - 忙しい毎日の中で一番の癒しですた（ ; ; ）新作楽しみにしてます！！！ (2017年8月14日 14時) (レス) id: 3600278a3d (このIDを非表示/違反報告)
あをぞらばなゝ - 瑠羽さん» いえいえ！こちらこそすみません！このコメント欄の下へ行くとある「作者ホームページ」にURLを張っておいたので其処から行けると思います！(分かりにくくてすみません) (2017年7月31日 19時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あをぞらばなゝ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/
作成日時：2017年6月11日 0時
