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続き。 ページ20

***


 芥川はまた同じ夢を見て、今度は飛び起きた。ずっと見ていてくれたのか中原が「大丈夫か」と声を掛ける。

 掠れる声で問うた。太宰さんは何処にいるのか、と。しかし返ってきた言葉はあまりにも残酷で、芥川をもう一度どん底へ突き落とすには充分だった。



「太宰さんが、失踪…?何故、やつがれは、まだ」

「落ち着け芥川。奴は手前を捨てたんじゃねぇ」



 恐らく医務室の寝台の上。放射線状に握られた白いシーツの上にぽたぽたと水滴が落ちる。自分が泣いているのだと、言われてから気づいた。

 中原は震えの止まらない芥川を静かに抱き寄せる。中原より身長が少し大きい癖に小さくて華奢な体はすっぽりと腕におさまった。



「芥川、大丈夫だ。…大丈夫」



 自分に言い聞かせているようにも聞こえる中原の言葉に、さらに涙を流した芥川。壊れた蛇口のようにそれは止まらなかった。



「なかはらさんっ…やつがれはっ」

「それ以上喋んな。手前だってつらいだろ」



 次に発せられる言葉が、自分の嫌がるものだと察した中原はあえて言わせなかった。いつの間にか背中へ延びてる芥川の手も、大きく震えていた。



「芥川、もう少し寝てろ。今日は非番にしといてやる。…目の下の隈が凄ぇことになってんぞ」



 こぼれ落ちる涙を親指の腹で掬い、その額に軽く口づけをする。芥川は持たれかかるようにゆっくりと目を閉じた。


 あの温もりが有る限り、芥川はあの夢を見ることはない。



♀♂♀♂


 悩んだ末の中芥です。本当は太芥にしたかった。でもそうするとめちゃくちゃ長くなりそうなので中芥で片付けさせていただきました。









(「…死んだのが織田作じゃなくて、芥川君だったら良かったのに」という身勝手で無神経な台詞を言わせたかっただけとは言えない)

敦芥『手』→←中芥『直後』



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なかゞわとまと - あくたん`∀´さん» ですよね、わたくしもナンパとか日常茶飯事だと思います(( コメントありがとうございます!続編も頑張ります! (2017年4月22日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
あくたん`∀´ - ふおおおおおおお!!やつがれ!やつがれちゃああああんっ!!…すみません、取り乱しました。書いていただきありがとうございます!やつがれちゃんは美人だからしょっちゅうナンパとかされてますよね!!← (2017年4月22日 9時) (レス) id: b724a19623 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 桐宮さん» はい分かります。可愛すぎますよね、あの二人は探偵社とポートマフィアの天使だとわたくしは思ってます。 (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - あくたん`∀´さん» リクエストありがとうございます!モブ芥で、太宰さんと中也さんが助ける最高に最ッ高な感じのお話ですね、分かりました!(( (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 7×7さん» いえいえ!またリクエストお願いします!掲載は続編のほうになると思いますが…(( (2017年4月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なかゞわとまと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/  
作成日時:2017年3月26日 23時

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