番外編*『やつがれと猫』 ページ21
「…………」
狭い裏路地。真っ昼間でもそこは薄暗い。
そんななか闇に紛れる外套をまとった人物が独りいる。黒いの一言に尽きるあの彼は芥川と言う。
そんな芥川の足元には一匹の真っ白な猫がいた。
野良なのだろう。真っ白といえどそれは薄く汚れている。
「……退けろ。生憎やつがれは何も持っておらぬ」
そう、その時だった。芥川が猫に話しかけたのは。
困ったように芥川はしゃがんで猫に話しかける。
「明日、また来てやる故。離れろ」
芥川がそう言うも、猫はごろごろと鳴いて離れない。深くため息をついて芥川はその場に座り、猫を撫で始めた。
芥川がその場から立ち去ったのは数時間後だと言う。
*
山もオチも何もない。だから没になったお話なんです。しかしありがたいコメントがたくさん来たので続き投下します。
♪*
「貴様。やつがれは本部に戻らなければならぬのだ」
あれからやっとのことで裏路地を抜けた芥川だったが、猫はいつまでも着いてくる。芥川が止まれば猫も止まる。
そんなどうしようもない状況のなか、芥川には諦めがついたようで、その猫を抱き上げた。
まだ小さいその猫と芥川は違和感のないほど似合っている。
「っぶ」
しかし歩きながら猫を見ていたのが不味かったのだろう。誰かとぶつってしまった。芥川が後ろに倒れ混みそうになると、すかさず「大丈夫か」と声をかけてくれる___。
「貴君はポートマフィアの…」
「貴様な探偵社のっ…」
探偵社社長、福沢諭吉と芥川の対面。一瞬敵同士ということもあってにらみあったがそれはあの鳴き声によってあっさりと穏やかな雰囲気になった。
「猫…」
「ずっと着いてくる故…仕方なくこうしている」
「そうなのか。ふむ、洗えば嘸綺麗な猫だな」
「やつがれもそう思う」
相対している組織の社長と遊撃隊長が何処か親しげに話している。少し変わった絵柄だ。
「ポートマフィアでは無理なのか」
「首領が許してくれるか分からぬ」
「電話してみるか」
すかさず携帯を取りだし連絡をする社長。何故連絡先を知っている?と問うが答えは返って来なかった。
『芥川君が猫を飼いたい?』
「ああ」
『何千匹くらい?』
「一匹だ」
『えっ』
その後、買い物帰りの敦が社長、ポートマフィア首領、芥川の3人が物凄い空気を発しながら歩いているのを見たとか。
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わさび - 今更文ストにハマりました…推しが太宰・中也・やつがれちゃんなので神作でした!やばいです好きすぎて!!! (2023年1月25日 11時) (レス) @page33 id: 9659da359c (このIDを非表示/違反報告)
ひきたろう(プロフ) - 芥川くんっっ。。。(lll __ __)バタッすいません。推しが可愛すぎて死んでました。笑笑中也さん男前すぎて惚れますね笑笑次回作楽しみにしてます! (2019年7月16日 12時) (レス) id: 5c7dffad8d (このIDを非表示/違反報告)
あをぞらばなゝ - 千風さん» 大丈夫です。わたくしのスケッチブック及び教科ノートが芥川さんで埋めつくされているのでご安心ください← 本当にありがとうございました!! (2017年10月6日 21時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
あをぞらばなゝ - 堕落人間さん» ありがとうございます!!(土下座) 本当に楽しかったです!ホムペに生息してるのでお暇がありましたらいらしてください^^ (2017年10月6日 21時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
千風 - お疲れさまでしたぁ! なんかもう最後まで師弟がぁっ、師弟があっ!! 最近私のスケッチブックが芥川さんで埋まりすぎて怖い(切実) (2017年9月27日 19時) (レス) id: d4838ee308 (このIDを非表示/違反報告)
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