黒外套の禍狗がある日突然異能を使えなくなったので。

本能のままに動く ページ19

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「じゃ、僕もお風呂入ってくるね」




　嫌がる芥川を半ば無理矢理風呂に入れた敦は笑いながら言った。少し膨れた頬をする芥川が無愛想に敦を見る。



「やつがれは寝る」

「うん、電気消すよ」



　パチン、と消す音がするや否や、辺りは暗くなる。一気に暗くなったせいで目の慣れない敦がようやく風呂場へ行く。しかしその途端、ぱっと部屋の明かりがついた。



「あれ？芥川？」

「憐れな貴様の為に風呂を上がるまで待っていてやろう」



　其処には明かりを自らつけた芥川の姿があった。もしかして暗いのが怖いとか…と考えた敦も笑ってうん、と相づちをうった。


*****


「上がったよー電気消すねー」

「…」



　もう寝てしまっている芥川を起こさないよう静かに明かりを消す。そういえば一枚しか布団敷いてなかったなと思い出したが、何の躊躇もなく一緒の布団に入る敦だった。



「おやすみ、芥川」


*****


　同時刻、太宰の自宅では食べ残したキノコ料理と散々怒られ続けた太宰の亡骸があった。



「あくたがわくん…」



　涙声の太宰が呟く。嫌なほどにこの部屋に響いた。



「迎えにいくから………絶対！」



　掛け声と共に飛び起きれば、うるさい、と謝罪待ちの国木田に拳骨をされた。



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夏は終わらずまだ暑い→←それは友達のような

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