15,彼女 ページ33
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ゲームを終え、自室のドアノブに手をかけると人の気配がした。
とはいえ、僕の部屋に勝手にいるような人物は限られる。Aか、Aとよく会話をするイライ。
……もしくは、諸行無常の練習中である白黒無常か。
念のためにノックをして、ドアノブをひねった。
「入るよ」
扉を開けると、鏡の前にいた白黒無常の白無常が振り向いた。
……Aに会ったのだろうか。
そう推測をたてると、自分の胸がキリリと痛む。年端もいかない少女相手に嫉妬しているのだろうか。
「探鉱者。同居人がいたとは知りませんでしたよ」
「……貴方に言うことではないと思うけど」
僕がそう言うと、白無常は肩をすくめた。扉の方へ向かってくる彼に、すれ違いざま囁かれる。
ハンター特有のかすれた声にゲームを思い出して、思わず背筋をただす。
「勝手に部屋に入ってすみませんでした」
「……気を付けて」
白無常は何事も無かったかのように傘を抱えなおす。そして廊下を歩き始めた。
僕はそれを黙って見送る。
……何か小言や意地悪を言われると思っていたが、単なる謝罪だった。ほっと息を吐きつつ、部屋に入ろうとした。
「嗚呼っ！」
白無常が声を上げた。
僕はつられて彼の方へ視線を向ける。
「あの子を慰めてあげてください」
白無常は振り返ることなく呟くと、再び歩き始める。
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トバリ - ミルクケーキ@ﾄｼさん» ありがとうございます。更新、頑張らせていただきますね。 (2020年10月6日 18時) (
レス) id: 1296928d7f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクケーキ@ﾄｼ(プロフ) - 好きです！更新頑張ってください！！ (2020年10月5日 18時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
トバリ - クルルさん» ありがとうございます！こちらだけでなく、短編まで！嬉しい限りです。 (2020年9月17日 22時) (レス) id: 12a0f93b04 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - 新作呼んできました！とっても面白くて・・・いつか短編集じゃなく中編として出してほしいくらい！更新頑張ってくださいね！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
トバリ - クルルさん» 誤字報告、ありがとうございます。とても恥ずかしい間違いをしてしまいました……////。いつもご愛読、ありがとうございます。 (2020年9月13日 12時) (レス) id: 43b40f5855 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トバリ | 作成日時：2020年8月8日 19時
