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ナワーブはいつの間に買ってきたのか、私たちにジュースをくれた。イライには青い色のパック、ノートンには黄色のパック、私にはオレンジ色のパックだ。
ナワーブ自身は白い色のパックで、何かと尋ねると「かるぴすって言ってた」と返ってきた。
「安心しろ。イライ以外は何のジュースか分かるぜ」
「……私のは何か分からないんですか？」
「………」
イライは不安げな顔をすると、パックにストローを刺して臭いを嗅ごうとしていた。
嗅げなかったらしく、微妙な表情でこちらに顔を向けてきた。困っている表情がとてもかわいいが、青いだけでは私にはわからない。
「ナワーブさん、何買ってきたんですか？」
私が笑いながら訪ねると、彼はカルピスを美味しそうに飲みながら答えた。
「”ぶるうはわい”って言ってた。……おっ！上がるぞ！」
「あ、ホントだ！」
ナワーブの指先をたどれば、ひときわ大きな花火が夜空に浮かび上がった。色とりどりの光が線を描きながら落ちていく。少し火薬くさいのはご愛敬だ。
ほへーと花火に見惚れていると、イライがこちらまでよってきた。
「それで……私の”ぶるうはわい”ってどんな味なのですか？」
「えーと……何なんでしょうね。特に危ないものじゃないってことは分かるんですがね」
「に、苦いんですか？」
「いやぁ〜……？甘いと思います」
そんなやり取りを繰り広げ、イライはやっと決意を固めた表情でジュースを飲んだ。
ちなみに私はオレンジジュースだった。ノートンは何とも言わないが、多分レモンジュースだろう。
「……イライさん、どうですか？」
恐る恐る聞くと、イライはぱぁっと表情を一転させた。
目隠し越しにも分かる。頬がほんのり赤くなっていて、にっこりと上がった口角からご満悦なのが伝わってくる。
「とても美味しいよ！？甘くて、色からは想像できないほど美味しいよ」
「……」
ブル―ハワイってそんな味だったのだろうか。私は困って、ノートンのほうへ視線を向けた。
ノートンは被っていた帽子をずらしてレモンジュースを飲みきった。
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トバリ - ミルクケーキ@ﾄｼさん» ありがとうございます。更新、頑張らせていただきますね。 (2020年10月6日 18時) (
レス) id: 1296928d7f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクケーキ@ﾄｼ(プロフ) - 好きです！更新頑張ってください！！ (2020年10月5日 18時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
トバリ - クルルさん» ありがとうございます！こちらだけでなく、短編まで！嬉しい限りです。 (2020年9月17日 22時) (レス) id: 12a0f93b04 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - 新作呼んできました！とっても面白くて・・・いつか短編集じゃなく中編として出してほしいくらい！更新頑張ってくださいね！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
トバリ - クルルさん» 誤字報告、ありがとうございます。とても恥ずかしい間違いをしてしまいました……////。いつもご愛読、ありがとうございます。 (2020年9月13日 12時) (レス) id: 43b40f5855 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トバリ | 作成日時：2020年8月8日 19時
