11,撮影者 ページ23
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その微笑みに意味などなかった。
ノートンはただ口角を上げているだけで、瞳は光を吸収しきって闇だけが残っている。
「へたくそ、ですね」
私が正直に感想をつたえると、彼は「手厳しいな」と言いながら仮面に手をかけた。
今日のノートンの衣装は新SSR！
あの２周年イベントの花形衣装！！
レッツ・マスカレード！！！
そう、「ニースのロナード」だ。
皆さん大好き、華麗な展示モーションが上品な「ニースのロナード」ですよ。
「……君が笑えって言ったんだろうが」
「そうでしたね。でも、やはりノートンさんに上品な笑みは似合いませんでしたね。なんか胡散臭いです」
「本っ当に失礼」
ノートンさんはそう言うと、微笑んだ。
そんな風に笑えるのに、どうして普段は歪な笑顔になるのだろう。
そんなことを考えていると、 月相を着たイライが鏡から顔を出した。
「やぁ、Aさん。どうですか？私も月相を着てみたんですけれど」
「……花嫁さんだ」
露出がなくて真っ白な衣装って、こんなに……センシティブだよ！！！？？
可愛いを遥かに超える色気とフェロモンがだだ洩れてるんだが？？
はぁっーとため息を吐いて顔を覆った。
「私は男だと言ったんですが……」
苦笑いしているイライは無視した。
そして、こうなると……残るはナワーブだ。
「おー……イライもノートンもめかし込んでんな」
そう言って入ってきたナワーブの衣装は……感染だった。
「はぁ……いい加減にしろよ、こいつら。なんでこんなに可愛いんだよ」
「Aさんにとって私たちはどんな風に見えているのかな？」
「……面白い奴」
頭を抱えて呼吸困難に陥りかけている私を見て、イライとナワーブはそう言った。
ノートンは興味なさげに外の景色を見ていた。
数十分後。
気が済むまで写真を撮り倒し、衣装を舐めまわした私は３人に深々と頭を下げた。
「……お騒がせしました」
「……おう、気は済んだか」
ナワーブにそう言われ、私は正直に答えた。
「いや、すんでません」
あきれ顔でナワーブは私の頭を叩きながら、「すめよ」と言った。
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トバリ - ミルクケーキ@ﾄｼさん» ありがとうございます。更新、頑張らせていただきますね。 (2020年10月6日 18時) (
レス) id: 1296928d7f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクケーキ@ﾄｼ(プロフ) - 好きです！更新頑張ってください！！ (2020年10月5日 18時) (レス) id: 4eab459e35 (このIDを非表示/違反報告)
トバリ - クルルさん» ありがとうございます！こちらだけでなく、短編まで！嬉しい限りです。 (2020年9月17日 22時) (レス) id: 12a0f93b04 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - 新作呼んできました！とっても面白くて・・・いつか短編集じゃなく中編として出してほしいくらい！更新頑張ってくださいね！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
トバリ - クルルさん» 誤字報告、ありがとうございます。とても恥ずかしい間違いをしてしまいました……////。いつもご愛読、ありがとうございます。 (2020年9月13日 12時) (レス) id: 43b40f5855 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トバリ | 作成日時：2020年8月8日 19時
